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栄養週期理論を検証する

何が目的で作物、土壌を観察するのか

今回は、本誌でもたびたび御紹介しているお二人に登場していただこう。茨城県牛久市の高松求さん(本誌「女化通信」及び「第4回経営者ルポ」で紹介)は、緑肥や堆肥を投入し、輪作を行いながら長期的な土作りを考えた経営を行っている。そして、茨城県結城市の石川治男さん(「第21回経営者ルポ」で紹介)は、周辺農家での賃耕を行い、作物や土壌の違いを考え、低コストで高品質の野菜を、機械を利用して、合理的に栽培している。
 今回は、本誌でもたびたび御紹介しているお二人に登場していただこう。茨城県牛久市の高松求さん(本誌「女化通信」及び「第4回経営者ルポ」で紹介)は、緑肥や堆肥を投入し、輪作を行いながら長期的な土作りを考えた経営を行っている。そして、茨城県結城市の石川治男さん(「第21回経営者ルポ」で紹介)は、周辺農家での賃耕を行い、作物や土壌の違いを考え、低コストで高品質の野菜を、機械を利用して、合理的に栽培している。お二人は、本連載の栄養週期理論について、それほど詳しいわけではないが、その栽培される作物の品質や経営に対する考え方は、周辺から高い評価を受けている。

 今年の天候は不順で、全国的に見てもどうも不作になりそうだ。こういう年ほど栄養週期理論を実践している人にとっては、良い年なのかもしれない。なぜなら、第3回で紹介した栄週米のお二人を始め、栄養週期理論を実践している人は、不作の年でも品質的に問題ないし、さほどの減収にはならないと語っているからだ。

 関東のジャガイモの産地でもこの天候の影響で減収になりそうだということだったが、今回紹介させていただく高松さんと石川さんが作業分担して作るジャガイモに関しては、今のところ例年よりできがいいくらいだという。このジャガイモ栽培では手間や不要なコストの削減のために、府県では珍しい大型機械の共同使用や無マルチ栽培に挑戦している。また、耕起的に雑草を排除するためにカルチによる除草を行い、除草剤も使用していない。

 ほとんどの作物で減収が免れそうもない今年の様な天候で、なぜ、収量が落ちないのか。栄養週期栽培との、共通点を探りながら、その栽培理念に迫ってみた。

「自分の作物がよくできるということは、栄養週期的に養分が吸収されているということだと思う」

 作物の必要な時に必要な量の施肥を行うという栄養週期理論を、自分は元肥型だけど、と断りながら語る石川さんは、御自身が最も多く作付けするゴボウに関しても、根が深く入るのでその伸びてきた時点で必要な養分を吸収することができるように土壌管理することで、栄養週期的な養分吸収が可能になるのではないかとも言う。

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