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江刺の稲

「女性差別」をどのように語ろうか?

  • 『農業経営者』編集長 農業技術通信社 代表取締役社長 昆吉則
  • 第32回 1998年09月01日

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ある女性企業経営者から、本誌の表紙写真に女性が出てこないのは「女性差別」であるとの批判を受けた。そして、「創刊から32号に渡って男の顔がズラーッと並んでいるのを見れば、女はこの雑誌を絶対に買わない!」と言われてしまった。でも、これまで女性を取上げなかったからといって差別だなどとは思わない。それは単に確率の問題に過ぎないからだ。しかし、そのために女性読者に本誌の敷居が高くなるというのであれば、それは問題だ。
 ある女性企業経営者から、本誌の表紙写真に女性が出てこないのは「女性差別」であるとの批判を受けた。そして、「創刊から32号に渡って男の顔がズラーッと並んでいるのを見れば、女はこの雑誌を絶対に買わない!」と言われてしまった。でも、これまで女性を取上げなかったからといって差別だなどとは思わない。それは単に確率の問題に過ぎないからだ。しかし、そのために女性読者に本誌の敷居が高くなるというのであれば、それは問題だ。

 本誌は「被害者としての農業や農村あるいは農民をどう守るか」ではなく、「現代日本の社会で、農業およびその経営主体としての農業経営者のアイデンティティー(自分という存在の独自性への自覚)を確立すること」「農業を経営として成立させること」をテーマとする雑誌である。

 その意味ではむしろ、その強さの根拠を失い、偉そうにしていても実は被害者顔をしたまま村社会から飛出すことも出来ずにいる弱き男どもを励ますことの方が、農村での「男女差別」を問題として取り上げることより優先課題ではないかとすら思ってもいる。

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