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大泉一貫の農業経営者論

機関車農家と客車農家

私は農業の担い手は、機関車農家つまり農業経営者だけをいうべきだと主張しています。行政は農家であれば皆担い手としています。できるだけ対象者を広くとり縄張りを広げたいという官僚主義がそうさせるのかもしれません。しかしそうすることは農業の担い手を曖昧にしてしまうということになります。
1、兼業農家は農業の担い手か?



 私は農業の担い手は、機関車農家つまり農業経営者だけをいうべきだと主張しています。行政は農家であれば皆担い手としています。できるだけ対象者を広くとり縄張りを広げたいという官僚主義がそうさせるのかもしれません。しかしそうすることは農業の担い手を曖昧にしてしまうということになります。

 今の農家の実体は、農地所有者という以外に共通するものはなにもないからです。農地を持っていれば皆農業の担い手ということなら、土地を電気部品工場に貸している人は電気製造の担い手となるのでしょうか? 農業のアナロジーでいえばその工場の跡地を空き地にしたとしても彼はやはり製造業の担い手となってしまうのです。そんな馬鹿な話があるはずがありません。彼はあくまで土地所有者なのであって電機製造業者ではないのです。

 たとえ幾ばくかの農業生産を行っていたとしても彼を農業の担い手といえるかどうかもきわめて疑問な点です。

 多くの農家は、農業をサブの仕事としていることが多く、二股をかけしかもサブの方の職業を取り上げて、その担い手というにはあまりにその職業に対して失礼というものです。ただ、サブであっても芸術のように彼の仕事が社会的に非常に高く評価されているというならそれはそれでまた別でしょうが、そうしたことはあまり考えられないことですし、ましてや農業の場合には全くといって考えられないことです。

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