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村井信仁の作物別・畑作野菜経営機械化講座

長ネギの管理技術と紙筒苗の利用拡大

長ネギの軟白化は培土によるのが一般的である。このため大きなネギを栽培しようとすれば、畦幅を90~100cmにして、大きく培土しようとする。生長に合わせて何度か培土することにより、良質のネギが生産できる。
 長ネギの軟白化は培土によるのが一般的である。このため大きなネギを栽培しようとすれば、畦幅を90~100cmにして、大きく培土しようとする。生長に合わせて何度か培土することにより、良質のネギが生産できる。

 最近、培土の手間を少なくする技術として、被覆材による簡易軟白法が普及し始めている。培土の必要がないので、畦幅を狭くすることができ、その分株数を多くできることから増収に結び付き好評である。

 簡易軟白法はハウスネギ栽培から発達したものと考えてよい。狭いハウスの中では培土が困難なことに加え、面積の利用効率も悪いことから被覆材を使う軟白法を考案したものであろう。

 ハウス栽培では虫除けの白色のマルチフィルムに穴をあけ、ネギを1本1本植え付ける。草丈が70cm程伸びたところで両側から通気性のある黒い被覆材で囲み、曲げた針金や洗濯バサミ等で密閉度を高め、ずれ落ちないようにする。

 ハウスの中は風が遮ぎられており、全く培土をしなくとも倒伏することはない。仮に生長過程で倒伏のおそれがある場合は、紐を張って倒伏を支えればよく、ハウスの中では大きな負担になる作業ではない。

 さて、大量のネギを露地に栽培する場合は、チェーンポットを使って省力的に移植する。被覆材を使って簡易軟白をしようとすれば、畦幅は60cmで充分である。浅い溝を作って移植してもよいが、省力化のためには平畦に移植しても差し支えない。

 露地では風があるので、生長が進むと倒伏することがある。これを避けるには、追肥時に1回培土をする。根元が培土で押えられていれば、台風は別にして、少々の風では倒伏することはない。

 除草の省力化と虫除けのためには、マルチが望ましい。この場合は厚手のフィルムを畦間に敷くようにする。黒いマットに白いマットを張り合わせたものが検討されているが、もっとも効果的であり、取扱いやすく有望とされている。

 慣行栽培の培土による軟白のネギは畦幅が広く、充分に日光を受けていることもあり、やや太めである。これに対し被覆材による軟白のネギは、細めであり、若干軟らかい感じである。味は特に変わるものではないが、業務用としてより一般家庭向きに消費を伸ばすものと思える。

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