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大泉一貫の農業経営者論

経営者にとっての「社会」とは何?

農業経営者という言葉は不思議な言葉である。現代では物を作りそれで生計を立てている者は通常ほとんどが経営者となっている。したがって農・商・工の自営業者はすべて経営者と言っていい。
1 農業経営者のイメージ


 農業経営者という言葉は不思議な言葉である。現代では物を作りそれで生計を立てている者は通常ほとんどが経営者となっている。したがって農・商・工の自営業者はすべて経営者と言っていい。

 その経営者を育成しようというのが今の農政課題である。しかし事はそれほど簡単ではない。いくつか理由がある。例えば育てる経営者のイメージや経営者とは何かが明確でないと言うことがある。官僚や学者というサラリーマンが経営者を育てようとしている笑うに笑えない現実もある。

 農業経営者にとって当面必要なのは中小企業社長のノウハウであろう。いやそれさえも必要ないのかもしれない。従業員3ないし4人ぐらいの零細企業の運営ノウハウがあればそれで充分なのだろう。ところがこうした零細小経営や中経営は出入りの激しい。安定しないという意味である。誰にでもすぐ作れるがすぐに破産してしまう可能性も高いということだ。電話帳に載ったかと思えば翌年の電話帳からは消えている企業である。

 そうした零細企業のノウハウすらない農民と農政官僚が経営者育成をするとすれば、スーパー資金などの低利融資によってオーバーローンの構造を作って大口負債農家を作ってしまうのが関の山である。

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