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【土門剛の「なんで?どうなる!」ニッポン経済】
どうなる?日本農業法人協会
- 土門剛
- 第9回 1999年07月01日
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ひょっとして、本誌読者も、会員になられた社団法人「日本農業法人協会」。今月は、この話題を取り上げてみましょう。
その設立総会が、5月28日、東京・麹町の東条会館で開かれました。新聞報道によりますと、全国1200の農業法人が設立に参加したそうです。
全国に、農業法人はざっと1万ほどあるそうです。法人の設立登記はしても、休眠中の法人もあります。活動中の法人は、だいたい7000から8000と言われています。活動中の農業法人の7分の1が、日本農業法人協会にはせ参じたことになります。
日本農業法人協会は、全国農業法人協会が前身でした。それが発展的に解消して、農水省から社団格を与えられたものですが、その裏には農水省の強い後押しがありました。その事情から説明してみましょう。
農水官僚の悲願は、農家の数を減らして、日本農業を強くすることです。これを構造政策と呼びますが、その改革に踏み切ろうとすると、政治から「待った!」をかけられるのが、農政の歴史でありました。
むろん構造政策を断行すれば、農水省の構造改革、つまり役人のリストラも断行せねばなりません。どこまで構造改革に本気なのかは分かりませんが、とにかく農業を変えなくちゃ、と思っていることだけは確かです。
彼らが描くのは、規模を拡大して、経営意識に溢れた農業者の姿です。プロ農業者が育たなければ、日本農業の復興はあり得ない。そうも思っているのです。
もう一つは、農業団体に対して強い不信を持っていることです。以前から、農水官僚の中には、日本農業を農協組織の道連れにはさせたくない。そう考えている官僚が多くいると聞いています。いまの次官の高木勇樹氏はその代表格のようです。
その設立総会が、5月28日、東京・麹町の東条会館で開かれました。新聞報道によりますと、全国1200の農業法人が設立に参加したそうです。
全国に、農業法人はざっと1万ほどあるそうです。法人の設立登記はしても、休眠中の法人もあります。活動中の法人は、だいたい7000から8000と言われています。活動中の農業法人の7分の1が、日本農業法人協会にはせ参じたことになります。
日本農業法人協会は、全国農業法人協会が前身でした。それが発展的に解消して、農水省から社団格を与えられたものですが、その裏には農水省の強い後押しがありました。その事情から説明してみましょう。
農水官僚の悲願は、農家の数を減らして、日本農業を強くすることです。これを構造政策と呼びますが、その改革に踏み切ろうとすると、政治から「待った!」をかけられるのが、農政の歴史でありました。
むろん構造政策を断行すれば、農水省の構造改革、つまり役人のリストラも断行せねばなりません。どこまで構造改革に本気なのかは分かりませんが、とにかく農業を変えなくちゃ、と思っていることだけは確かです。
彼らが描くのは、規模を拡大して、経営意識に溢れた農業者の姿です。プロ農業者が育たなければ、日本農業の復興はあり得ない。そうも思っているのです。
もう一つは、農業団体に対して強い不信を持っていることです。以前から、農水官僚の中には、日本農業を農協組織の道連れにはさせたくない。そう考えている官僚が多くいると聞いています。いまの次官の高木勇樹氏はその代表格のようです。
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土門剛 ドモンタケシ
1947年大阪市生まれ。早稲田大学大学院法学研究科中退。農業や農協問題について規制緩和と国際化の視点からの論文を多数執筆している。主な著書に、『農協が倒産する日』(東洋経済新報社)、『農協大破産』(東洋経済新報社)、『よい農協―“自由化後”に生き残る戦略』(日本経済新聞社)、『コメと農協―「農業ビッグバン」が始まった』(日本経済新聞社)、『コメ開放決断の日―徹底検証 食管・農協・新政策』(日本経済新聞社)、『穀物メジャー』(共著/家の光協会)、『東京をどうする、日本をどうする』(通産省八幡和男氏と共著/講談社)、『新食糧法で日本のお米はこう変わる』(東洋経済新報社)などがある。大阪府米穀小売商業組合、「明日の米穀店を考える研究会」各委員を歴任。会員制のFAX情報誌も発行している。
土門剛の「なんで?どうなる!」ニッポン経済
「あろうはずもない」と人々が信じ込んできたことが次々に起き始めている。まさに、風雲急を告げる日本経済そして農業界である。土門剛は「農協が倒産する日」他の多数の著書や本誌記事において、早くから農協・金融業界の破綻を予見し、その政・官界とのかかわりを指摘してきた。本誌ではこれから不可避的に発生する様々な事件とのそれに伴う混乱を乗切るために、日本経済の動向から農協問題そして農業経営について、読者の疑問に答える。
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