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【祈りの大地】
天孫降臨はわが国稲作の始まり
- 齋藤吉久
- 第2回 1999年07月01日
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稲作発祥の地と伝えられる宮崎県高千穂町を訪ねたのは、おととしの七月のことである。行ってみて驚いた。山ばかりなのだ。日本の米づくりがここで始まった、などとはボクにはとても想像できない。
梅雨前線がどっかといすわり、各地に大雨洪水警報が発令されるというあいにくの天候で、宮崎空港の上空は雨雲が重くたれこめていた。それでも要所要所では不思議に晴れたが、延岡から国道二一八号にはいると一気に雨足が強まった。標高が高くなり、前方に高千穂の峰々が見えてきた。谷間からは白い雲が次々に湧いてくる。
千三百年前にまとめられた『古事記』という古い歴史書に、皇族の祖神天照大神(あまてらすおおみのかみ)と高木神(たかぎのかみ)の命令で、大神の孫邇邇藝命(ににぎのみこと)が「筑紫(つくし)の日向(ひむか)の高千穂の久士布流多気(くじふるたけ)」に天降られた、と書いてある。高千穂はそもそも天孫降臨の聖地であり、皇祖発祥の皇室ゆかりの土地なのである。
梅雨前線がどっかといすわり、各地に大雨洪水警報が発令されるというあいにくの天候で、宮崎空港の上空は雨雲が重くたれこめていた。それでも要所要所では不思議に晴れたが、延岡から国道二一八号にはいると一気に雨足が強まった。標高が高くなり、前方に高千穂の峰々が見えてきた。谷間からは白い雲が次々に湧いてくる。
千三百年前にまとめられた『古事記』という古い歴史書に、皇族の祖神天照大神(あまてらすおおみのかみ)と高木神(たかぎのかみ)の命令で、大神の孫邇邇藝命(ににぎのみこと)が「筑紫(つくし)の日向(ひむか)の高千穂の久士布流多気(くじふるたけ)」に天降られた、と書いてある。高千穂はそもそも天孫降臨の聖地であり、皇祖発祥の皇室ゆかりの土地なのである。
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