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「行動する消費者」を見つけられるか
小売業の安値競争は農家の経営を圧迫している。それと同時に、小売業自身の首も絞めている。これを変えるのは消費者ではないか。そんな思いがこめられた一冊だ。
消費者は元来、旬や特性を活かして食材を管理し、命を繋いできた。農家も気候風土にあった種を播き、自然の力で農作物を育ててきた。「画一」とは対極にある多様な「一粒の種」を誰もが持っている。著者である農業ジャーナリストの榊田みどり氏とNHKプロデューサーの河邑厚徳氏は、そんな多様性の価値を訴える。
1968年に発足した生活クラブ生協は「こういうものを作って」と産地に要請するが、それだけの責任を取るべきと適正価格で買い支えてきた。マスコミは、安さを求めて安全を他人任せにする消費者像ばかりだが、私は今も強い消費者は存在すると思う。ひとりの人間も用途によって購買行動を変える。農業経営においてもステレオタイプの消費者像を鵜呑みにせず、「行動する消費者」をどう見つけるかが課題ではないだろうか。(青山浩子)
だれでも持っている一粒の種 生活クラブ生協 レッスンONE
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