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マネのできない優位性を生むストーリーとは
「商品の付加価値を高めるには、やっぱりストーリーが大事でしょ」という類の浅薄な本ではない。著書のメッセージでは、優れた戦略とは思わず人に話したくなるような面白いストーリーであり、「ストーリーがある」とは、ゴールに向かって戦略を構成する要素がかみ合って、全体の動きと流れが浮かび上がってくるということだ。
本書では、競争戦略とは数値目標でも市場環境の分析でもなければ、ベストプラクティスによる表層的なモノマネでもない、強力な因果関係を持つ「打つべき手」のつながりに源泉があると説いている。そして競争優位にたった事業(アスクル、ホットペッパー、ガリバーなど)が築いたストーリーを読解しながら、戦略ストーリーの原理原則に迫っている。
業界の常識から考えると、一見非合理に見える要素をストーリーに組み込むことが、マネのできない優位性を生むという主張には説得力がある。ヤマト運輸の小倉昌男氏が著した『経営学』にも似るが、それを超える面白さがある。500ページの長編だが一気に読める。(松田恭子)
ストーリーとしての競争戦略 ―優れた戦略の条件
posted with amazlet at 11.10.28
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