ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

BOOK REVIEW

コシヒカリより美味い米

    • 無料会員
    • ゴールド
    • 雑誌購読
    • プラチナ

著者:佐藤洋一郎
定価:819円(税込)
 出版社:朝日新書


知っているようで知らないコシヒカリの話

コシヒカリが登場してから半世紀以上が経過した。現在、そのシェアは作付面積で全国の4割弱を占める。さらに第2~5位もコシヒカリの血を引く品種で、それらも合わせると6割強にもなるという。それだけコシヒカリがブランドとして定着したということになる。

一方、現在の消費者は多様性というキーワードが好きだ。ところが米の品種に限っては「コシヒカリ一辺倒」という矛盾がある。本書ではコシヒカリの品種に含まれる多様性と、すでに原種がなくなっているという現実について語られている。そこで著者は、植物遺伝学という立場から、コシヒカリとは何かという根本的な問題を問いかける。品種についても「うまさ」についても知識が乏しい昨今の消費者にとっては、目から鱗が落ちる話だろう。

ブランドを選ぶのではなく「うまさ」でコメを選ぶ時代がやってきている。そんな時代に生き残るために、是非手に取っていただきたい。偽コシヒカリ問題、品種交配の現場、そしてコシヒカリの誕生秘話もこの一冊読めばわかる。(加藤祐子)


コシヒカリより美味い米
posted with amazlet at 11.10.28
佐藤 洋一郎
朝日新聞出版
売り上げランキング: 262271

関連記事

powered by weblio