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BOOK REVIEW

まな板の上の鯉、正論を吐く

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著者:堀江貴文
定価:777円(税込)
 出版社:洋泉社


ゼロベースで物事を最適化する発想力

最高裁の判決を待つホリエモンこと堀江貴文氏。本書は、文字通り俎上の身にある彼が、臆することなく自分の信ずる“正論”を綴ったショートエッセイ集である。ビジネスや政治、日本の未来に対し、テンポよく展開される持論は軽妙にして痛快だ。

トヨタについてはクルマの家電化時代に対応すべく早く電気自動車に特化すべきだと叱咤し、返す刀でかつて自らバッシングした新聞には「いずれ補助金をもらってやっていく伝統芸能になる」と言い放つ。ヒール役として報道されることも多いため、好き嫌いが分かれる存在だろうが、あくまでゼロベースで物事を最適化しようとする発想は、固定観念でものをとらえがちな頭に刺激を与えてくれる。

いかにも都市生活者らしい「ああすればこうなる」的なロジックではある。お天道様のままならなさをいやというほど知る農業者には「対岸」の視点に思えるかもしれない。だがその対岸から見える川の流れが目指す先は、世界を舞台に活躍する昨今の農業経営者と同じようにも感じた。物事を複眼でとらえるためのヒントが詰まった一冊だ。(土井学)


堀江 貴文
洋泉社
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