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自分の圃場に即した土作りのために
国内の試験場や海外の研究機関で土壌生成の分野を中心に調査・実験を行ってきた土壌専門家である著者が、農業指導者から消費者までを対象に、土について易しく解説した土の指南書。土壌診断の重要性が認識され、普及しつつある今、診断項目の持つ意味と理想とされ基準とされる土壌状態を読者に理解してもらうことが本書の目的だ。作物が健全に育つ土壌条件とは、根が充分に伸びることのできる土壌の柔らかさ、作物に適した水分状態、充分な空気、良好な栄養状態だという。そもそも土壌とは何なのか、水田、畑地、果樹園の土の特性や問題点、改良法とはどういったものなのかといった点を具体的に検討し、美味しい野菜を作るための土作りを提案する。方法を間違えば、農業は地球環境にとって悪玉になりうると著者は言う。これは紙面上の基準だけに従った土作りが理想なのではなく、自分の圃場の状態に即した土作りをせよということだろう。自分の圃場の問題点や改良法について、本書を片手に模索されてみてはいかがだろうか。(下村理恵)
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