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経験と勘の農業に科学の視点を加える
精密農業を一言で表すと「ばらつき管理」の農業だという。一筆の圃場にも土壌水分、硝酸態窒素、pH、ECなどにはばらつきがあり、収量や品質に影響する。篤農家が経験と勘で対応してきたばらつきを、科学的に管理しようという手法だ。GPSを利用した自律走行トラクタ、衛星画像からの情報でコメのたんぱく質含量を把握するなどはよく知られている。精密農業がもっとも普及しているのは米国。圃場を細分化して肥料や農薬の量を最適化することで無駄な施肥や防除をなくし、コストを削減している。一方、一農家当りの経営面積が小さい日本でも精密農業の研究が進んでいる。直播水田に苗立ちの状態や葉色をマッピングすることで追肥量を決める技術、じゃがいもの葉茎部の情報からデンプン価や収量を予測し栽培管理に活かすなどさまざまな技術が紹介されている。機械や情報にかかる費用の低コスト化という課題は残っているが、規模拡大を考えている生産者、コスト削減、品質向上を目指す生産者にとっては参考になる一冊である(青山浩子)
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