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奪われし未来
今話題の環境ホルモンに関する書。近年頓に動物達に異常事態が発生している。巣を作らないワシ、孵化しないワニやカモメの卵、子を産まないミンク、アザラシやイルカの大量死、そして人間では精子数の激減。それら異常事態の原因と言われる環境ホルモンは、今まで環境汚染物質として問題とされてきた水銀や、銅、カドミウム、六価クロムといった化学物質とはかなり異なる。環境ホルモンは、動物の体の中で性ホルモンのように振舞い性を撹乱する。成長した動物には何等影響がなくても、胎児(あるいは卵)にその物質が取り込まれると、信じられない程微量で大きな影響を及ぼす。卵がかえらない、死産となる。子供のうちは問題が生じなくても後に、性器が発達しない、性不能となる、正常な精子ができない、性行動がとれない等異常が表れる。この書には、うんざりする程その事例が提出されている。しかも、その原因物質は、現代文明で既に広範囲に行き渡っているプラスチック、農薬、薬品等の(有機)化学物質であると言う。耐熱性プラスチックでできているほ乳びんの中には、環境ホルモンとなる物質が含まれているものがある。しかし、農薬や薬品等の環境ホルモン物質を取り込んだ母親から与えられる母乳には、更に濃縮された環境ホルモンが存在するという。人類の精子数はすでに半減しているという。どうする?という書である。
シーア コルボーン/ジョン・ピーターソン マイヤーズ/ダイアン ダマノスキ
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