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鍛えて最強馬をつくる
平成四年五月、東京競馬場。血統、体形いずれの点からみても短距離競馬であるミホノブルボンという名の一頭のサラブレッドが、遺伝における神様のいたずらとハードトレーニングによって、二四〇〇mの日本ダービーを他馬に一度も影をふませず大差をつけて逃げきった。
著者はミホノブルボンの調教師(平成五年五月、ダービー優勝の一年後に死去)。師が、ミホノブルボンでの二四年ぶりの栄冠まで貫き続けた、調教師としての「経営哲学」をつづる。
師は、これまでも「スピードは天性のもの、スタミナはトレーニングによってなんとか克服できる」と考え、インターバルトレーニングや週二回追い(通常一回)などの「スパルタ調教」を行ってきた。しかし多くの馬がその調教に耐えきれずつぶれていった。
師は調教が強いのではなく、馬が弱いのだと説く。「地力がなくなると人も馬も枯れる」「今の青草では強い馬は育たない」「土と馬の知られざる関係」「粗食に耐える日本のサラブレッド」など、厳しさに耐えるたくましい馬体を求める師の思索は栄養学や日本の農政までに及ぶ。
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