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【江刺の稲】
「親父」を「社長」と言い換える
- 『農業経営者』編集長 農業技術通信社 代表取締役社長 昆吉則
- 第52回 2000年06月01日
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18号の経営者ルポでご登場頂いた松木長生さん(新潟県上越市)のお宅に立ち寄った。松木さんとは、本誌の執筆者でもある山代勁二さん((株)地域事業研究所)の主宰する『創造農学研究会』でもお付き合いがあった。その経営と生き方は18号(1996年8月発行)の「農業経営者ルポ」を読んでいただきたい。松木農場ではこだわりの大規模減農薬稲作を行い、米と独自の変り餅を加工・販売している。販売は、全国の契約先への宅配と各種の通信販売。自宅近くの国道の交差点にあるレストランの駐車場に自動販売機も設置している。
そして今回、ルポで取材した当時に高校生だった長男の一忠君に再会した。
「お久しぶりです」と奥まった事務所のデスクから声を上げた青年が差出した名刺を見てハッとした。4年前に恥ずかしそうにしていたあの少年の成長に驚かされたのだ。
「支払にコンビニを利用できるようにしました」と話す彼は(有)松木農場のマーケティング担当者として意欲を燃やしている。清々しい空気を残して事務所を出ていったその姿を見て、農業の世界に新しい世代が育っていることを感じた。
帰京後、彼が開いている(有)松木農場のHP(http://www2.ocn.ne.jp/~mattyan2)にアクセスし、彼にメールを送った。以下は、彼とのメールの応答である。
((松木一忠様(中略)HP拝見しました なかなか素晴らしいセンスですよ。
素晴らしいと感じたのは、貴君が「農家(農民)であること」にこだわらず、一人の青年として、一人の「職業人」という立場で、あたりまえに発言する姿勢です。まちがってもインターネットを持った農業オタクにならないように気を付けてください。
そして今回、ルポで取材した当時に高校生だった長男の一忠君に再会した。
「お久しぶりです」と奥まった事務所のデスクから声を上げた青年が差出した名刺を見てハッとした。4年前に恥ずかしそうにしていたあの少年の成長に驚かされたのだ。
「支払にコンビニを利用できるようにしました」と話す彼は(有)松木農場のマーケティング担当者として意欲を燃やしている。清々しい空気を残して事務所を出ていったその姿を見て、農業の世界に新しい世代が育っていることを感じた。
帰京後、彼が開いている(有)松木農場のHP(http://www2.ocn.ne.jp/~mattyan2)にアクセスし、彼にメールを送った。以下は、彼とのメールの応答である。
((松木一忠様(中略)HP拝見しました なかなか素晴らしいセンスですよ。
素晴らしいと感じたのは、貴君が「農家(農民)であること」にこだわらず、一人の青年として、一人の「職業人」という立場で、あたりまえに発言する姿勢です。まちがってもインターネットを持った農業オタクにならないように気を付けてください。
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昆吉則 コンキチノリ
『農業経営者』編集長
農業技術通信社 代表取締役社長
1949年神奈川県生まれ。1984年農業全般をテーマとする編集プロダクション「農業技術通信社」を創業。1993年『農業経営者』創刊。「農業は食べる人のためにある」という理念のもと、農産物のエンドユーザー=消費者のためになる農業技術・商品・経営の情報を発信している。2006年より内閣府規制改革会議農業専門委員。
江刺の稲
「江刺の稲」とは、用排水路に手刺しされ、そのまま育った稲。全く管理されていないこの稲が、手をかけて育てた畦の内側の稲より立派な成長を見せている。「江刺の稲」の存在は、我々に何を教えるのか。土と自然の不思議から農業と経営の可能性を考えたい。
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