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作物別経営研究

長ネギ

今回から始まる「シリーズ 作物別経営研究」は、毎回ある作物に着目し、その作物に関わる様々な事項を取り上げ「経営」のためのヒントを提供していくものである。
今回から始まる「シリーズ 作物別経営研究」は、毎回ある作物に着目し、その作物に関わる様々な事項を取り上げ「経営」のためのヒントを提供していくものである。

今回は長ネギに着目し、育苗、育苗培土、移植、防除、収穫、調製の機械化体系と共に、市場情報、鮮度管理、消費者の声等々、様々な角度から「長ネギ」経営について考える。

また後半では、長ネギ栽培関連の各種機械情報、種苗・農薬情報を「資料請求番号付き」で紹介しているのでご活用いただきたい。

機械化=大規模化と捉えられがちだが、本誌は、経営規模の大小が問題なのではなく、市場にとっていかに魅力的な、お客様に選ばれる経営を作るかが問題なのだという観点に立って機械化の問題も論じているつもりである。

今回の「長ネギ」においても、小規模・手作業で一本一本丹精こめて「贈答用の根深ネギ」を作る農業経営者も、大規模で機械化による合理化を図りながら低価格の商品を市場に提供する農業経営者も、自らの経営が対象とするお客様を念頭に置き経営体系を確立している立派な経営者である、と考えながらの内容としているつもりなので、お汲みとりいただきたい。(編集部)


食する「お客様」から考える長ネギの機械化体系


長ネギは、冬の鍋物や夏のざるそばの薬味など、食の名脇役として需要の高い作物である。また、生産サイドでは技術的には機械化一貫体系が確立されつつある作物の一つでもある。本稿では、特に育苗、収穫調製を中心に機械化の利点・課題について経営的側面から考える。(編集部)


現在、我が国で栽培されているネギの野生種はまだ発見されていないが、原産地は恐らく中国西部だろうと言われている。中国では2,200年前の文献にすでに「葱」の文字が見られる。我が国でも平安時代の『本草和名』以来多くの文献に名が出ている。名称の起こりは、臭気が強いという意味から古名を「気(き)」といい、後に根(いわゆる白根)が深く伸びるところから「根ギ」となったのだそうだ(『野菜園芸大百科』農山漁村文化協会)。

我が国では、西日本でネギと言えば「葉ネギ」、東日本では「長ネギ(根深ネギ)」が主に食されている。中国から日本へのネギの渡来も、中国北部で栽培されていた太ネギ群が東日本に、南部で栽培されていた葉ネギ群が西日本に渡来したと考えられている。

長ネギの品種は、その作型から「夏ネギ型品種(春まき秋冬どり)」と「冬ネギ型品種(秋まき夏秋どり)」の二つに大別される。春まき秋まきいずれの場合も春に花がつくので、この時期がネギの端境期となる。

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