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BOOK REVIEW

「やめること」からはじめなさい

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「やめること」からはじめなさい (星海社新書)

著者:千田琢哉
定価:861円(税込)
 出版社:星海社新書



背負う荷物は軽いほどいい

「人生、やったもん勝ち」とよく言われる。特に震災以降、この思いを強くしている人も少なからずいるように感じる。一方で言葉に乗せられてしまって、むやみやたらに手を出す人がいる。もちろんその中で自分の中に大事にしたい趣味や経験、可能性を感じられる分野など見つけられるものであるだろうから、一概に悪いと言えない。だが、本書は読者に問いを投げかける。「実は必要なのは、やめることなのではないか」と。

本書で取り上げられている具体的事例の多くは会社に寄生しているサラリーマン向けだが、経営者にも響くものも少なくない。たとえば「武勇伝を語るのをやめる」。その理由は「武勇伝を語り始めた瞬間からイケてないオヤジ化が始まる。武勇伝語りは過去に生きている証拠」だからだそうだ。こんな具合に、人生という曲がりくねった坂を前へ前へと進むためには荷物が少ない方がいいということを教えてくれる。読者は、本当に背負うべきものとは、続けるべきこととは何かと考えることになるだろう。


「やめること」からはじめなさい (星海社新書)
千田 琢哉
講談社
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