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華麗にして精緻な料理という科学
料理というものは感覚的であいまいなものだと思っている人は多いかもしれない。しかし実際には、工場で行う食品加工を含めた料理の世界には、農業の場合と同じく基本なり基礎というものがある。
それを最初に理論化・明文化・体系化したのはフランス料理だ。その枠組みは、イタリア料理や日本料理が脚光を浴びる今日も最も確かな手がかりとして支持され、各国料理に骨格を与えさえしている。
たとえば、加熱調理法一つとってみても、その分類の緻密さには舌を巻く。まず「焼き色をつけながら火をと通す」「焼き色をつけずに火を通す」「焼き色をつけてから液体で火を通す」に分類した上で、それぞれをさらに分類し、一つひとつの方法と効果を明確にしている。それは科学そのものだ。
約500ページの本書を読んでおけば、料理人と会話していても一目おかれるだろう。若いバイヤーからはあなどれぬ相手と恐れられるかもしれない。そんな“実用面”はさておき、食の仕事に携わる一人として、この華麗にして精緻な世界に触れておくことは、仕事をより楽しくするだろう。(齋藤訓之)
フランス料理ハンドブック
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