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BOOK REVIEW

暮らしは私たちが守る 生活者のライフラインを死守した商人たちの記録

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暮らしは私たちが守る 3・11東日本大震災 生活者のライフラインを死守した商人たちの記録

編著:田口香世 著
定価:1,600円(税込)
 出版社:商業界


3・11で商人が果たしたこと

「士農工商」のイデオロギーは未だに健在だ。長く農家と出会ってきて感じてきたことがある。それは農民運動家が煽り続けてきた「被害者意識」の裏返しであり、その被害者意識こそが農家の経営主体としての意識が育つことを阻害してきた。農家だけではない。現代の日本人あるいはメディアそのものの中にも、「農家」は素朴な弱者であり、儲けのために働く「商人」という偏見を見出すことは稀ではない。

本書は、3・11東日本大震災後の被災地でその社会的使命を果たしてきた商人たちの記録である。大小のスーパー、コンビニエンスストア、ドラッグストア、ペットショップ等の経営者や店長たち、そして小業者のネットワークが被災地のライフラインを守るために果たしてきたこと。そしてその志と実践を伝えたジャーナリズムは、著者が編集長を務める月刊「2020VALUE CREATOR」以外に知らない。著者が示すこの商人に対する尊敬と共感を農業経営者に知って欲しい。(昆吉則)

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