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【女だからの経営論】
商社のような作業場
- 三好かやの
- 第47回 2001年01月01日
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商社のような作業場
(有)梶谷農園の作業場では、代表の梶谷きよみさん(48歳)と、朋子さん(23歳)が、ハーブ出荷の準備に追われていた。
きよみ「サラダ・スピニッチ、あといくつ?」
朋子「あと19」
きよみ「クレソンは?」
朋子「足りないから、今取りに行ってもらってる」
きよみ「それからロケット、シブレット、マーシュ…」
聞き慣れないカタカナ名が2人の間を飛び交う中、次々とハーブがパック詰めされていく。そうする間にも、電話やFAXで新たな注文が入ってくる。まるで、商社さながらの熱気だ。
はるばる広島まで取材に来たけれど、「忙しいから作業場で」話を伺うことになった。
三好「あのう、これ、何時まで揃えないといけないんですか?」
きよみ「3時。宅急便が取りに来るから」
そうする間にも注文が入ってくる。種類が多い上に、物が細かい。
三好「あのう、全部で何種類あるんですか?」
朋子「今は30種類ぐらいかな? 年間通すと50以上…数えたことないから、わかんない」
三好「パック単位で、細かい注文ですね」
朋子「市場に出してる分も、仲買さんが直接注文を出してくる。だから細かいんです」
実はこの朋子さん、今年の2月、きよみさんの次男の耕治さん(23歳)と結婚したばかり。ハーブの出荷をてきぱきとこなす背中には「嫁」も「娘」も通り越し、きよみさんの「同志」という空気がバンバン漂っている。
三好「毎日こんなに忙しいんですか?」
きよみ「ううん。忙しいときは忙しいけど、休むときはがっちり休むのが梶谷のやり方。今年も海外旅行に4回行ってきたの」
三好「うわぁ、びっくり!」
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