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作物別経営研究

ハクサイ ~望まれる当たり前の土壌管理~

 一昔前までは、冬の朝食と言えばごはん、味噌汁、ハクサイの漬け物が定番だった。
 一昔前までは、冬の朝食と言えばごはん、味噌汁、ハクサイの漬け物が定番だった。ハクサイは2、3個を一束にして八百屋に並び、各家庭で漬け物にされ、食卓に供せられていた。家庭ごとに味加減や漬け方に違いがあり、ハクサイの漬け物は、正にお袋の味を代表するものの一つだった。

 伝統的な野菜とも思えるハクサイが日本で栽培されはじめてから、実は、わずか百年ほどしか経っていない。

 ハクサイは、その原産地も野生種も知られていない。はじめ非結球性であったハクサイが結球性へと変化したのは、中国での人為的な栽培・選抜によるものと考えられている。そのハクサイが中国から日本に導入され、栽培され始めたのは1900年代に入ってからのことである。ハクサイの需要が急増したのは日清・日露戦争後で、日本経済が大きく成長した時期である。両戦争に従軍した兵士たちが大陸で食べたハクサイの味が忘れられず、種子を持ち帰ってきたことがそのもととなっている、といった逸話もある。

 宮城県(松島群)や愛知県(野崎群)で本格的な生産が始まったハクサイは、 1968年に187万トンと史上最大の生産量を記録している。

 現在、その生産量は108万トンほどとなっているが、その主要因は、家庭で漬け物を作らなくなったことにある。ただ、それは漬け物を食べなくなったということではなく、現在加工用の大半は漬け物であり、家庭で漬けなくなった分を漬け物業者が肩代わりして需要の落ち込みが支えられたということでもあるだろう。

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