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シリーズ TPP特集

TPPとわが農業(1)
片岡仁彦氏(福井県)、白川敏文氏(北海道長沼町)、小林秀康氏(埼玉県行田市)、馬場広之氏(北海道岩見沢市)

  • 2012年12月12日
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いよいよ4日後に迫った。16日の解散総選挙を経て新政権が誕生すれば、TPP(環太平洋パートナーシップ協定)の交渉参加の是非をめぐる国内議論は再び大きく動き出す。農業経営者が一票に託す思いを聞いた。(聞き手・窪田新之助)

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しがらみない政党に改革期待


JAの政治団体である全国農政連の山田俊臣会長が、中央会や共済連などJA5連トップとして君臨する福井県。県内のJAグループを挙げて反対運動が広がる中、福井市の片岡仁彦氏は逆に日本のTPP交渉参加を支持する。「そもそも日本の経済や国民が潤わないと、国内農産物は買ってもらえない。不参加なら世界経済から取り残され、農業にも悪影響があるだけではないか」

TPPに対する不安はもちろんある。関税撤廃により外国産の安い農産物が入ることで、国内農業に影響が出ることは覚悟している。だが、それには付加価値のある農産加工品づくり、また低コスト化などで国産競争力をつける必要があると認識している。 だから今の農業には不満を持っている。たとえばJAの栽培マニュアルに従うだけで、自身の経験や五感を活かして技能を磨く農家があまりに少ないからだ。「経営努力をしながら生き残るのが本来の農業ではないか。その点でいったら、今は農業ではなく農作業をしている農家があまりに多い。そういう農家を国が認めてしまっている」

片岡氏にとって競争力を強化する上で課題なるのは地代の高さ。TPP参加となれば、10a当たり1万円や2万円の地代は過剰な負担になる。ただ、「保守政党が関係団体票で当選する現状では事態は変わらない」とみている。このため、しがらみの少ない新党に期待を寄せる。

過去の農政への幻滅


北海道長沼町で水稲2ha。麦40ha、ソバ50haを作る馬追運河取締役の白川敏文氏も賛成派の一人だ。片岡氏と同じく、各国との経済連携を進めることが日本の経済、ひいては農業のためにもなるという見方をする。ただし、「輸入農産物との対抗で農産物価格が下がった時の措置をしてくれるなら」とくぎを刺す。

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