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【シリーズ TPP特集 】
TPPとわが農業(2)
宮井能雅氏(北海道夕張郡長沼町)(3)
- 西南農場 代表取締役 宮井能雅
- 2013年01月09日
今回ご登場いただく農業経営者は、本誌「農業経営者」でコラム「ヒール宮井の憎まれ口通信」を連載していることでもおなじみ、北海道長沼町の宮井能雅氏。TPPについては、どんな辛口コメントが飛び出すのだろうか。(聞き手・窪田新之助)
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農薬使用で要らずの日本
――消費者団体のアンケートを見ていると、日本がTPPに参加すれば食の安全が脅かされるという不安があるそうです。宮井さんは海外の農業事情にも詳しいですが、どう思いますか。
そんなことないよ。たとえば、米国では農薬を使うのに資格がいるって知ってる?意外かもしれないけど、その辺りはきちんとしている。ところが日本では年に1回だけの講習を受けるだけでいい。なぜか農家が毒物劇物である農薬を使うことに関しては資格が要らない。それから欧州ではスプレーヤーの検査もするんだからね。
――誰がどんな検査をするんですか。
オランダの州みたいだよ。デンマークもやるって言ってたかな。ちゃんとノズルから適当な水圧で適量の農薬が出ているかっていう。日本にはない、そんなことはあくまでメーカーの責任だからさ。
――日本は農薬の扱いについては厳しいと思っていました。
それから、これはドイツの話だけれど、有機物の堆肥の投入量は1ha当たり20tまでだったかな、そういう規制する法律がある。
――日本にはないんですか。つまり、まき放題だと。
ざる、ざる、ないの。だから日本は安全基準については結構、放任主義なんだよね。牛にしたってさ、10頭増やそうと思ったら10頭持ってる人から権利を買わないといけないからね。日本にはないからね、そんなの。だから農業は自由だと思われるかもしれないけれど、本質的には欧州の農業はもう厳しいよね。
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宮井能雅 ミヤイヨシマサ
西南農場
代表取締役
1958年3月、北海道長沼町生まれ。現在、同地で水田110haに麦50ha、大豆60haを作付けする。大学を1カ月で中退後、農業を継ぐ。子供時代から米国の農業に憧れ、後年、オーストラリアや米国での農業体験を通して、その思いをさらに強めていく。機械施設のほとんどは、米国のジョンディア代理店から直接購入。また、遺伝子組み換え大豆の栽培を自ら明かしたことで、反対派の批判の対象になっている。年商約1億円。
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