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特集

農家の給与

「100年に一度の不況」下、日本中で人員削減・給与削減が進行中だ。「失業者を人手不足が深刻な農業に」の報道が連動する。本誌読者層からは農業を「甘く見るな」という声が上がってくる。だが、甘く見られる理由は我々にある。世間から農業は遅れた業界に見ることを許してきたのだ。その大きな理由は、給与水準がわからないことにある。職業の付加価値を表す報酬がブラックボックスでは、“真っ当な産業”としてみなされない。ならば“農業の産業化”を標榜する本誌で明かそうではないか。独自アンケートをもとに、農家の給与を初公開する。
○1 一体いくらなのか? 2566人の給与公開で始めてわかった!

 本誌読者層の平均年収は348万円。法人役員平均は560万円。中小企業の平均給与より多いことがわかった。国の農業所得統計をみても、農業の本当の年収はわからない。上位5%の農業経営者は1000万円超の高額所得者だ。


 農家の平均年収は348万円(2566人)――本誌の独自アンケートで明らかになった。個人農場(全1314人・平均384万円/一人当たり)、農業法人役員(382人・平均560万円)および社員(870人・241万円)を押し並べた結果だ。いずれも社員数5~9人の中小企業における平均年収236万円を上回っている。300万円以下が半数を占める一方、500万円以上が2割超え、年収1000万円以上が5%にのぼることがわかった。

 これまで農家の所得水準は、国が発表する販売農家(兼業農家率78%)の農業所得を基準に発表されていた。だが農業外収入が大部分を占める販売農家の所得水準をみても、実態はわからない(販売農家の平均所得31万円=農家所得120万円÷平均世帯員数3・8人)。今回のアンケート結果から、本業として農業を行なう層の年収がこれまで過少評価されていたことがわかるだろう。

 最高年収は3600万円――と上場企業の経営者並みの高額報酬を得ている農業実業家が存在している。個人農場の最高年収は1500万円で、社員平均給与年額トップは857万円と、大企業並みの農業法人が存在することもわかった。

 一方、報酬ゼロという回答を寄せた人もいる。これは自分の農場からの出荷で収入は得ているが、流通や加工などの目的で設立した農業法人では「まだ儲けがなく、報酬を出せる状態ではない(生産・加工販売/熊本県)」ケースだ。農業法人の年間雇用者でも年収ゼロや月収5万円以下と、最低賃金を大きく下回るような低賃金が、全回答中1割強あった。無報酬・超低報酬の研修制度を利用していたり、年間雇用ではあっても労働時間が極めて少ないケースである。こうした例は、ばらつきはあっても年間就業を前提とした今回のアンケート結果には含めなかった。

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