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特集

農家の給与

業種・年齢・規模・地域と将来予想 5つの指標で読み解く農場給与水準

 分析を深めれば、農業年収の実態がはっきり浮かび上がる。高い業種は?低い業種は? 最高年収の年齢層は? 収入を上げるモチベーションは?


 業種別の平均年収では、畜産酪農とキノコ類が500万円を突破し、100万円以上の差がついて他業種が300万円代で並ぶ。上から順に、コメ・畑作(383万円)、果樹・工芸作物(351万円)、生産・加工・観光(342万円)、施設園芸(316万円)と続く。最下位は露地野菜の284万円。

 しかし、役員報酬でみると露地野菜は467万円と、施設園芸(496万円)や生産・加工・観光(480万円)と同水準である。506万円のコメ・畑作が、上位組の畜産酪農、キノコ類に続く。418万円の果樹・工芸作物が最後だ。

 個人農場の一人当たりの年収では、役員報酬では最下位の果樹・工芸作物が最高額となっている。595万円と、2位の酪農(441万円)を大きく突き放す。父親の代などの先達が植えた資産(永年作物)を有効活用しているとみるべきか。411万円のコメ・畑作が3位で、300万円代後半の生産・加工・観光と施設園芸が続く。最下位は露地野菜の348万円。


【コメ高所得の不公平感?】

 農業法人勤務の社員年収平均では、またしても畜産がトップ(317万円)で、コメ・畑作が続く(297万円)。200万円を割る露地野菜(174万円)以外は、200万円代半ばが社員の平均水準となっている。

 総じてみれば事業化、淘汰が進んだ畜産・酪農、キノコ類が頭ひとつ飛び出している。コメ・畑作が押しなべて高いのに比べ、露地野菜は低水準にある。コメ・畑作の高さは日本を代表する規模に座する本誌読者層だからという見方もできるが、同じ層の露地野菜と比べると、両者の助成金の差が所得に反映しているともとれる。付加価値が高いはずの施設園芸と生産・加工・観光でさえ、コメ・畑作の年収を超えていない。不公平感は否めないだろう。


【40代の個人農家が最高年収688万円(平均)】

 年齢別では、40代の個人農場(一人当たり)が平均688万円で全年齢・階層で最高年収を誇る。次に高い年収の40代役員平均(632万円)より、50万円以上高い。若くして後継し、事業拡大を続ける40代の本誌読者層の姿が浮き彫りになった形だ。それが50代、60代以上になると、個人農場では一気に下がる。それぞれ269万円、208万円だ。40代の半分以下である。今の40代に比べて経営能力が低いのか、それとも早期に引退した層が若く後継した息子世代から収入を得ているのか? お金のかかる若い世代に家族所得を多く配分しているのか? 今回のアンケート結果では解明できなかった。

 社員給与が一番高いのは30代の399万円で、同世代の役員(338万円)や個人農場(303万円)を上回る結果が出た。年齢が高くなるにつれ給与平均が下がる(40代・279万円、50代・222万円)。30代の社員が農業法人の幹部として働き、もっとも高い報酬を得ていることがみてとれる。一方、60歳以上では132万円と全階層でもっとも低くなる。これは農業法人の給与体系を示しているというより、短時間勤務の高齢者を採用する傾向の表れだろう。

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