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特集

農家の給与

○3 給与を決める根拠はありますか? 経営者の頭の中にある評価は正しくとも不完全!

 従業員にとって、実は給与の額はあまり大きな問題ではない、ということを案外経営者は知らない。一方従業員も経営者が何を基準にして給与を決めているか分からない。では、どうすべきか、経営者が評価の基準を明確にし、従業員に伝えていくことである。


【給与の額ではなく査定が明確かどうか】

 経営者であるあなたは、(家族を含む)従業員の待遇、特に給与をどのように決めているか。中小企業の多く、まして農業法人および法人化していない農家の多くは、経営者の裁量でほとんどを決めていると思う。それ自体間違いだとは言い切れないが、「こいつにはこれだけやろう」という金額を決めるのに、根拠があるだろうか。もしまったくなく、経験や感覚的なもので導き出しているというのであれば、ちょっと待ってと言いたい。

 従業員と経営者の間にコミュニケーションが存在しえない大企業のような場合とは異なるので、経営者が決めること自体、決して否定するものではない。おそらくは評価表の基準は、見えないものの、頭の中にはあるのだろう。だが、やはり明文化されていなければ、従業員から見れば何もないのと同然だ。

 加えて、従業員にとって、給与の金額はそれほど大きな問題ではないことが多い。金額は多くても多くても、もっともらいたいという際限ない欲求が出てくるが、これは自分の中で割り切ればある程度コントロールすることができるからである。

 しかし、どれだけ頑張ればどのぐらい上がるかというのが見えないと、従業員は不安にさいなまされる。今回の特集を組む前に、農業法人で働く従業員の不平不満を聞いたことがあるが、その多くはこのようなものだった。

「勝手に給与額を変更され、何の説明もなかった」「入社の条件と違っていた」「昇給がないのが暗黙の了解になっている」……。

 思い当たる節はないだろうか。

 しかし、これらの従業員の不満不平は、農業法人に限った問題ではないが、ある程度は経営者側からの働きかけによって解決できるものである。

 まずは、経営者自らがすべきことがある。従業員に納得して働いてもらい、業績を上げていくために「儲けの構造」を経営者自らが再認識し、経営方針をきちんと決めることである。

 次に、方針を決めたら、従業員に経営情報を公開することである。単なる労働力を従業員に求めているのであればその必要がないが、社員の頑張りやスキルアップが業績向上につながると期待するのであれば、問題意識を共有する意味でもやった方がいい。だが、これらは大前提である。

 さらに、進んで行なうべきは、給与決定のルールを明文化することである。農業生産法人でも賃金規定もなく、就業規則も定めていないというケースは少なくないが、組織、経営者と従業員の信頼関係を醸成する上では必要不可欠である。

 また、会社の業績向上と同時に、従業員の生活が向上することを、常に語りかけることも忘れてはならない。先述したが、金額の問題よりも、経営者から従業員に対して給与が上がるための道筋がしっかり提示されないことの方が、従業員にとって苦痛なのである。

 このように、給与を決める根拠は、経営者自身が考えていることで十分である。それが仕組みになっていないから従業員との間で軋轢が生じる、という原則をお忘れなく。

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