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特集

農業補助金をもっと知ろう!~その仕組みとカラクリ~

 そもそも「こんな補助金がありますが何か利用しませんか?」という行政は最低だと思います。農業経営者が自分のプランを実現するために「こうしたいんですが、何かいい方法、いい補助金を含めたアドバイスはありませんか?」なら、まだわかる気もしますが……。農業者は品質の向上、技術の向上等をさせて経営を良くしていくものだといます。それに自分で買った機械や設備だからこそ、ねじ一本まで大切にしようと思うものではないですか?

 もうひとつの理由は、補助金をもらわないと、自分の経営がダイレクトに数字に表れてくるからです。補助金を取ってくるのも経営者としての力だとは思います。しかし、補助金がない場合を考えると、なんとか自分の経営を良くしようと真剣に知恵をしぼり、工夫をし、努力をします。そうした試行錯誤にしても、補助金がある場合とない場合では、違った方法をとるかもしれません。補助金をもらっている人が知恵をしぼらず、工夫をせず、努力をしないということではありません。ただ、自分の判断がすべてで、そのぶんリスクも負うとなると、その知恵なり工夫なり努力なりに甘えは許されなくなるのです。真剣勝負なのです。行政にとっては、あまり知恵や工夫や努力をしてもらうと困るのかもしれません。農業者が一人歩きして、行政の言いなりにならなくなりますから。

 補助金に一度手を出すと、病みつきになりそうな気がします。会社員の人が、本来自分の仕事でこつこつと働いて頑張ればいいところを、ある日突然話をもちかけられて株を買い、儲けたようなものだと思います。株を遊び程度でやっているうちはいいのですが、本来の仕事をそっちのけで株にのめりこんでいってしまう……そんな状況に似ているような気がします。高木正美(岐阜県・コメ・46歳)


【補助金は経営を甘くする罠】

 私は一切補助金を使っていない。そのうえで補助金に対して思うことは3つある。

 まず、人様の稼いだ金をもらうのはどうか。そして、もらえば必ず何かがついてくるに決まっている。結果、もらえば経営が甘くなるものだ。

 農家に補助金がやたらに下りる、変な時代が30年間続いた。その結果、農家が機械を大切に修理しなくなった。修理では補助金はおりないが、交換・買換えすれば補助金が下りるからだ。この現象は、植民地政府が現地の野鍛冶(街の鉄工所みたいなもの)を経営できなくして、替わりに鎌などの農具を輸出した構造に似ている。

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