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特集

農業補助金をもっと知ろう!~その仕組みとカラクリ~

 双方の言い分、どちらに理があるのでしょうか。

 この補助金事業(予算約12億円)は、肥料価格の高騰を背景に、施肥コストを低減する技術導入を推進する目的のものです。名称でおわかりのように、「施肥体系の緊急転換」を促すことで目的を実現するというわけです。ポイントとなるハード事業として「広域的な土壌診断施設や肥料流通拠点の整備」を補助の対象にしています。

 それでは「施肥体系緊急転換対策事業」について、農水省の本当の意図を解き明かしてみましょう。その前に、念押しの意味で、この情報が肥料関係者の間でどこまで伝わっていたのか検証します。肥料業者の業界団体である全国肥料商業組合連合会がこの事業を知ったのも、上の文書が出たころと同時期だと推測されます。というのも、その文書が出回った翌日に、全肥商連会長(三菱アグリサービス社長が兼務)と事務局長が、農水省に出向いて、三井物産アグロと同様の指摘を担当者に伝えていたのです。肥料業界は、誰もこの事業を知らなかったというのが、どうやら事実のようです。

 事業の実施主体は、「農業協同組合連合会、民間団体及び普及指導機関や試験研究機関等が参画する団体」と定められています。

 ここに、この事業の「本当の意図」が透けて見えてくるのです。

 肥料業界の現状からして、この補助事業を利用するようなことは皆無に等しいことだと言えます。もし肥料業界が、この補助金を利用しようとすれば、事業実施主体の要件を「民間団体」ということでクリアしなければなりません。お互い競合相手である業者達がこのような組織を結成してまで、この補助事業を利用することで土壌診断装置を導入したり、肥料の流通拠点を建設するようなことは現実的にはあり得ない話と思われるのです。

「普及指導機関や試験研究機関等が参画する団体」についても、同じことが言えるのではないでしょうか。 農業生産支援課の担当者に、そうした団体から補助事業導入の陳情や要望があったのかとチェックを入れたところ、担当者は「なかった」と答えるだけでした。

 従って消去法で言えば、農業協同組合連合会向けに新設された補助制度だったと言えるのです。肥料業者の中には、自前の資金で土壌診断装置を導入された企業が何社もあります。理屈では、この補助事業で土壌診断装置を導入した農業協同組合連合会は、一般の肥料業者と比べ、生産者向けの土壌診断費用を安くすることができるのです。

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