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編集長インタビュー

成長し続ける農産物直売ビジネスと出荷者に問われる資質、責任

新しい農産物の販売業態、農産物直売所。農業・農村の幻想さえも商品にし、消費不況と呼ばれる昨今も着実に成長を続けている。しかしながら、目先の利益に走ってしまい、本来備えていた「農家直売」の魅力を失うケースもままあるとか。選別・淘汰も進むであろう直売所、そして出荷者である農家に問われるものとは何か? 農産物直売所のコンサルタントである青木隆夫氏に話を聞いた。
急激に伸びている農産物直売所ビジネスの概況

昆吉則(本誌編集長) 先日の第2回読者の会全国大会では、大変お世話になりました。「農産物直売所ビジネスは急激に伸びている」という青木さんの話を聞いた農業経営者はもちろん、異業種の方々も直売所ビジネスに大きな可能性を感じたと感想を述べてくださいました。今回はその延長戦も兼ねまして、直売所の可能性、クリアしていかなければいけない課題などを考えていきたいと思います。さて、現在の日本における直売所の概況を教えてください。

青木隆夫((有)ベネット代表取締役) 現在、農産物直売所は1万3000~1万5000カ所ほどあるとも言われています。この数字は、庭先販売やある時期しか開かない店舗を含めたもので、実際に店舗を構え周年店を開き、店員がいるという活動をしている直売所は、全国に約3000カ所あります。つまり各県に50~60カ所あるという計算ですね。

昆 売り上げ規模はいかがですか?

青木 やはり急激に伸びています。2004年に農水省が「地産地消に関する意識・意向調査」を行なっていまして、これによると1店舗あたり7500万円程度でした。それから5年過ぎて、今は平均して1店舗あたり約1億円の売り上げになっていると思われます。そうなると直売所との業態における売り上げは3000億円と推算されます。さらにスーパーなどに常設のコーナーを設けたようなインショップ型の直売所を含めれば、4000億円ないし5000億円という規模になるのではないでしょうか。

 百貨店、スーパー、コンビニなど、食料品販売のチャンネルが軒並み業績を下げている中、ネット販売、そしてこの直売所という業態だけが右肩上がりの成長を遂げていることで、様々な小売業も直売所という業態に注目をし始めている、といったところが現状ですね。

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