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【叶芳和が訪ねる「新世代の挑戦」】
育種で競争力を培った養豚AIセンター (農)富士農場サービス(静岡県富士宮市)
- 評論家 叶芳和
- 第8回 2007年04月01日
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横浜市場の極上枝肉の全頭が富士農場直系
日本で一番高品質の豚肉を生産する種豚農場はどこか。豚肉の品質評価は、市場で5段階に格付けされる。最高品位「極上」に格付けされるのは、通常、市場に持ち込まれる量のコンマ数パーセントと希少である。ところで、この極上枝肉のすべてを一つのAI(人工授精)センターが独占するという事態が起きている。
2002年の横浜市中央卸売市場食肉市場における年間格付成績をみると(日本食肉格付協会横浜事業所調べ)、極上率は0.18%であった(極上格付314頭/屠畜頭数17万4755頭)。この極上枝肉314頭中、305頭が(農)富士農場サービス(桑原康代表)の100%血統、残り9頭にも同社の血統が50%以上含まれていた。
驚くべき事実が判明したのである。つまり、日本で一番美味しい豚肉は富士農場サービスが独占的に供給しているのである。格付協会は公式には発表していないが、同協会の調べによると、この傾向は7~8年前(2000年前後)から続いているようだ。また、鹿児島県のバークシャー(黒豚)にも富士農場サービスの精液供給が貢献している。
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叶芳和 カノウヨシカズ
評論家
1943年、鹿児島県奄美大島生まれ。一橋大学大学院経済学研究科 博士課程修了。元・財団法人国民経済研究協会理事長。拓殖大学 国際開発学部教授、帝京平成大学現代ライフ学部教授を経て2012年から現職。主な著書は『農業・先進国型産業論』(日本経済新聞社1982年)、『赤い資本主義・中国』(東洋経済新報社1993年)、『走るアジア送れる日本』(日本評論社2003年)など。
叶芳和が訪ねる「新世代の挑戦」
農家は減る一途、そういう中で、地域の農業を維持・発展させる動きがビジネス側から出てきた。借地による規模拡大も容易になった。新しいビジネスモデルが農業の近代化を推進し始めた。商系も農家も新世代の事業家がこれまでにない農業の創造に動いている。
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