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今年の市場相場を読む

夏に増える意外な野菜類、ジャンボピーマン、インゲン、ナガイモ、ニンニク

夏場は一般的に野菜の入荷が減る時期だが、当然ながら夏に強いオクラやニガウリなどの季節野菜、この時期の消費動向を加味したミョウガ、大葉などは増える。また、果菜類も本来は夏が旬である。ところがそうした背景とは別に、周年需要に対して切れ目なく出荷されていると思われている品目でも、なぜか夏場に増える野菜類がある。それはとりもなおさず、消費者が夏場により欲しがるものなのだが、一方では産地側の事情で夏場に増えてしまうものもある。実質的な需要と適正な供給というバランスを考えるうえで、それぞれの事情を知ることが大切だ。

ジャンボピーマン 国産が3割に達し韓国産も健闘。2万tの輸入をどう食うか



【概況】東京市場のジャンボピーマンの入荷は近年伸びが著しく、05年から08年の3年間で46%もの入荷増となっている。入荷量全体のうち、韓国、ニュージーランド、オランダからの輸入品が7割を占める。国産は高知が13%、宮崎が4%、そして数少ない関東の産地である茨城が3%で、まだシェアは低いが入荷増の傾向を示している。夏場に入荷の山を形成するのは、夏に強い果菜類だからというより、この時期にオランダ産のシェアが上がるためである。

【背景】最近の入荷増は、シェアトップの韓国産が急増しているためである。まだ7割が輸入品とはいえ、逆にいえば、かつて皆無だった国産が徐々に伸びて、ついに3割に達しているという表現もできる。夏場の需要の山は、主に業務用を中心に、サラダ材料として彩りのいいパプリカが多用されるシーズンだからである。この時期の国産の供給力がまだ弱いために、オランダからの輸入に頼らざるを得ないのが現状である。

【今後の対応】ジャンポピーマンの日本の輸入量は、2万t以上ある。かつてトップだったオランダ産から、成長著しい韓国産へシフトしているが、韓国も国内需要不振から日本市場への期待が強いようだ。一方で、パプリカの国内生産は徐々に拡大している。夏場の需要期を意識してか、青森など東北にも産地が形成されようとしているのが特徴だ。面積拡大だけでなく、輸入品のような安定供給、計画出荷が可能になれば、国産のシェアは上がるはずだ。

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