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【過剰の対策、欠乏の克服】
土壌分析では測れないカリ成分
- 農業コンサルタント 関祐二
- 第52回 2008年10月01日
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カリの語源は、錬金術が見つけた「植物の灰」
土壌や肥料、植物栄養についての知見を持つことは、栽培を生業とするものにとって重要なことです。これに加えて、病虫害と農業気象の知識も備えておけば、日々の仕事にさらなる探究心を持って取り組むことができるはずです。といっても、今回のテーマであるカリについては、肥料の主要成分であるとはいえ、そのほとんどが水溶性の無機成分として含有されているものなので関心を持ちにくいことでしょう。しかし、カリの土中での動きや蓄えられ方を把握することには大きな価値があります。この機会にぜひ知っておきましょう。その前に、カリの語源が面白いのでそこから紹介していきたいと思います。
はるか昔の古代エジプト時代には、現代化学のご先祖様にあたる錬金術が盛んに行なわれていました。これが繰り返される中で、植物を燃やした後の灰を水に溶かすと特別な働きを持つことが発見されます。この働きは、アラビア語で「植物の灰」を意味する言葉で呼ばれました。その言葉とは、現代の私たちも使っている「アルカリ」です。植物の灰には、無機態のカルシウム、カリウム、マグネシウムなどが含まれているため、水に溶かすとアルカリ性を示す、というわけです。
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関祐二 セキユウジ
農業コンサルタント
1953年静岡県生まれ。東京農業大学において実践的な土壌学にふれる。75年より農業を営む。営農を続ける中、実際の農業の現場において土壌・肥料の知識がいかに不足しているかを知り、民間にも実践的な農業技術を伝播すべく、84年より土壌・肥料を中心とした農業コンサルタントを始める。 〒421-0411静岡県牧之原市坂口92 電話番号0548-29-0215
過剰の対策、欠乏の克服
「土壌診断」という言葉は農業界に浸透し、多くの人がその必要性を感じているものの、調査は専門機関に委ね、その処方に基づいた施肥を行なってきたのが現状だ。ここでは現場で農業者が主体となって行なう土壌調査と診断方法について紹介していく。
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