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特集

待ってました日本農業の夜明け!イノベーションに挑む経営者の時代 続編 年の初めに言ってしまいます――何よりも自分に、そして時代に、同伴者たちに

2014年、ついに日本の農業界ははじけた。米価の暴落、豪雪、豪雨、台風などの気象災害など、多くの農家にとって困難な年であったに違いない。 しかし、夜明けの前には夜がある。虹を見る前には嵐がある。未来へチャレンジする農業経営者たちは、本当の意味の経営者としての実力が試される時代の始まりとして、身震いする思いで立ち向かったに違いない。 まさに今、そうした心境で新年を迎える農業経営者たちが、2015年に向ける意気込みをしたためて編集部に送ってくださった。これは彼ら自身のために書いた文章というだけでなく、本誌読者全員へのエールとして読みたい。 皆さまの、今年から始まる成功をお祈りします。 本誌編集長 昆吉則

子実トウモロコシのことは
私たちに任せろ

【18
固定概念の強い地域に切り込んで
トウモロコシ作などにチャレンジへ
道下一記(北海道岩見沢市)】

年の初めに言っちゃいます。
まず一つ目。自分が思いついたアイデアやひらめきは公言し、拡散します。
発言することでスタートする思いつきの連鎖を大事にしたい。公言することで自分ができなくても誰かがスタートさせるかもしれない。誰かの思いつきを私が始めることで貢献できるかもしれない。
二つ目。身近なツールを活用して、自分が人に教えることができる内容は伝えていきます。
これはGPSガイダンスの利用に関してですが、買ったけどうまく使えないとか、導入することで何がどう変わるのか?ということを私が理解している範囲で伝えていきたい。教えることで、自分の中でも整理がついて、より良いガイダンスの活用ができるだろうと思っています。
三つ目。固定概念の強い地域に切り込んでいきます。
その地域に農地を求めるのではなく、新たな取り組みを推進するための協力をしていきたい。
水田単作地域に増えつつある耕作放棄寸前の農地への畑作物の作付けをチャレンジしたいと思っています。
私の農場の土地も昔から水害の多い場所で、地下水位も高いので田んぼしかできないと子どものころは聞かされていましたが、いまではコメの作付けは経営面積の2割未満になりました。栗沢町内の水田メインの丘陵地域は後継者不足ではありませんが、いまの経営形態を変えてまで新たな作物にチャレンジする雰囲気が感じられず、今後出てくる農地の受け手がいないと聞こえてきます。そこにトウモロコシやナタネなど、管理時間の少ない作物を導入し、徐々に輪作体系を変えていけないのか?と考え、今年は少ない面積でもいいのでトウモロコシの試験栽培を進めていきたいところです。
自分自身まだまだ未熟者ですが、自分がやれることから貢献していきます。

【19
トウモロコシで目指せ100ha!?
柳原茂春(北海道長沼町)】

私は近年、あることに取り組んでいます。それは「トウモロコシ」の栽培です。国内では仲間以外で誰も作っていない作物なのでわからないことだらけでおもしろいです。これまで2年間栽培してきました。
すでに大きな失敗もしています。最初は畑作物の輪作体系のためだとかなんとかいっていましたが、実はちょこっと違います。理由は一つではありませんが、「楽な作物はないか」「親父や人とは違うことをしたい」「できるだけ機械に乗っていたいし、いじっていたい」「もっと海外を見てみたい」などなど。でも、現実にはうまくはいかないし、なかなか実行できません。そのためのコーンだといえるのです。
私には小さなコンプレックスがいっぱいあります。昔から周りにはすばらしい技術や感性、感覚や度胸を持った人たちがたくさんいました。いま思えばとても幸せだったのですが、いつも彼らに影響(感化)されながらふらふらとマインドを持てずにいる気がしていました。そのくせなぜかマイノリティーが好きで、新しいものに飛びつきやすいので、いつもマニアックになりがちです。
しかし最近、そのマニアックを生かせる場を見つけました。コンプレックスがアイデンティティーを生んだのです。そこで私は思いました。浅ましい考えではありますが、人の目標とされる農家(大人)になりたいと。そこでもあえていうとするならば、マイノリティーでありたいと……。
今年、面積を増やせることになりました。決して大きくはないですが、少しでも前進したうえで今後コーンを安定生産できるようになり、「トウモロコシ農家」になれるよう努力したいと思っています。
目指せ100ha!? さて、次は何を買おうかな?

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