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特集

待ってました日本農業の夜明け!イノベーションに挑む経営者の時代 続編 年の初めに言ってしまいます――何よりも自分に、そして時代に、同伴者たちに


そのとき、WEB上で何人かの同世代の農家と出会うとともにぜひ会って話してみたいと思い、スガノ農機の「東北土を考える会」に参加した。各エリアがある中、東北を選んだのは同社が販売している「ヒューマンドキュメンタリー」のDVDを見たからで、「厳しい情勢だからこそ燃える」という自信に満ちた農家のオッサン(実はものすごい経営者)と、その意思と技術を継承する若い世代がイキイキとした顔でクローズアップされていたからで、「この人たちと酒飲みながら話してみたい!」と強く思ったからだ。なんだかモヤモヤした状況を打破できるヒントがありそうな予感がしたこともある。
だが、知り合いはいない。しかも、会場は東北。「米価下落傾向であっても価格の高い新潟から何しに来た?」という目で見られてもおかしくない。経営規模も全然違い、うちは26haのコメ単作で、とくにすごい技術を持っているわけでもない。一方、その東北には50ha以上の経営体がザラにいて、「乾直」を取り入れて田んぼで外車のトラクターを乗り回していた。ものすごく「敷居が高い」と思っていた。例えるなら「monster farmer」の集団だ。東北の乾田直播の大御所、秋田の矢久保英吾さん、岩手の盛川周祐さんをはじめ、ビッグネームばかり。『農業経営者』にクローズアップされる面々だから、会場に着くまでは不安でいっぱいだった。
しかし、参加して顔を合わせて話してみると、「敷居が高い!」と思い込んでいたのは自分だけで、「新潟からよく来た!」と酒を注いでくれたmonster farmerたちには拍子抜けするほどだった。出会う前の緊張感と不安感はなんだったんだろうというほどに。
とはいえ、年齢問わず、monsterには変わりない。そして、理論派の集まりでありながら、皆「実践者」であり、自主、自立、自己責任で新しい技術でこれからの時代に挑む姿勢と覚悟は半端ない。同世代であってもその独特の雰囲気を持っている。
人に出会うのは理屈ではない。出かけて、出会って、話して、酒飲んで、ヒントを探すというより、ヒントを感じ取る感覚。「当たり前が、当たり前ではなくなる」。ものすごく新鮮だった。また、フェイスブックの活用もあり、顔を合わせるのは年に数回でもリアルタイムに情報をやりとりしたりできる。イイ先輩たち、イイ仲間に出会えたとホント思う。
同世代には宮城県登米市のN.O.Aの高橋伸さんなど強者もいる。同世代であっても集落をまとめ、転作作業を一手に担い、いまでは集落に必要な経営体として自家経営のみならず、集落の農業の先導役になっている。地域に必要とされる経営体であり、地域を必要とする経営。共に共存する物事の回し方。同世代でここまでやるか!と思う。そして、出会うmonsterたちはこれからの時代を生き抜く自信にあふれているように見える。

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