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今年の市場相場を読む

景気回復に乗れる野菜類は2
糸ミツバ/サヤエンドウ/シュンギク/ワケギ

過去20年もの長い間、日本経済を襲った不況は、積極的な消費行動を抑制し、いわゆるぜいたく品的な食材の消費や購入が敬遠された期間でもあった。経済的な理由が大きかったが、いわゆる“気持ちのゆとり”までが失われてしまった。しかし、ここに来て景気が回復傾向になってくると、消費は動きだす。その傾向は、単にぜいたく品に回帰するのではなく、安くて当たり前のものと、高いがそれなりに理由があるものという見極めが出てきたようだ。不況回復にどんな野菜類が乗っていけるかをまた考えてみたい。とりわけ、「和食ブーム」という要素との関連を見てみるのが仕掛けのポイントである。

糸ミツバ
入荷減でも和食を彩る役割は健在、パクチー・バジルそしてイトミツ

【概況】
東京市場の糸ミツバは、「ミツバ」として入荷するものの9割近くを占める、ウレタン地に播種する水耕栽培の糸ミツバを指す。主産地は変わらず、シェアが約5割の千葉。これに埼玉、静岡、茨城が続く。業務用食材だけに毎月コンスタントに入荷しているが、春にやや増え、年末年始も同様にして単価も高い。不況下を経てきた割に数量も単価も若干下がっただけなのは、工場的生産でコストを切り詰めてきたからか。

【背景】
糸ミツバは料理に添える形での業務用の割合が多いため、数量が減って単価も安くなったのは明らかに不況の影響だ。それでも、業務用での利用が大幅に減ったわけではない。とりわけ、和食に彩りと香りを添える役割を放棄しているわけではなく、単に以前よりその機会が減っただけのことだろう。家庭でも、鍋物や正月料理などで利用が増えているような傾向が昨年暮れの相場高から見えてくる。新しい糸ミツバのトレンドの息吹か。

【今後の対応】
まだまだ量販店などでは、糸ミツバは品ぞろえ商品として置いてあるだけで、積極的に提案していない。しかし、“三つ葉”は「和」の食に彩りや香りを添えるつま物であり、伝統野菜である。かえって一般消費者のほうが、外食の機会に和のメニューの添え物として認識し、家庭で再現するという流れを生んでいるかもしれない。パクチーや春菜、バジルやルッコラなどの外国の香辛野菜が若い層を中心に抵抗なく受け入れられている。

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