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今月の数字

11.6% 昭和62年~平成6年に先進的農業生産総合推進対策事業等で整備された施設の効果が不十分だった割合

六次産業化・地産地消法に基づく事業計画の第一陣が平成23年7月に認定を受けてから3年半が経過している。事業計画の目標は5年後に設定されるため、目標年次までの折り返し地点を過ぎた事業も増えており、そろそろ成果が問われる段階になっている。
6次産業化の事業計画や補助金制度のコンセプトは、平成25年度以前と以降では大きく変わった。平成25年度以降は、想定する販路別に売上目標と根拠を記述するなど実現性が問われる計画内容となり、補助金についても都道府県への交付金に移管され、他の事業者とのネットワークの形成が強く求められるようになった。つまり、生産者が加工して販売すれば6次化というわけでなく、計画の段階で需要者の意見を得て、できるだけ実現性の高い取り組みをしてほしいという制度になった。市町村を通した交付となるため、事務手続きは煩雑になったが、過大な目標数値だけをぶち上げた計画は少なくなってきたのではないかと思う。それでも、計画通りに販売が達成できなくなるケースはこれから出てくるだろう。
計画通りに事業が進まないことはよくある。民間であれば商品の特性を捉え直して投入する市場を変えてみたり、思い切って経営資源を別の事業に投入したりという変更を行なって経営全体の軌道修正を図るところだ。問題となるのは、補助金を活用した事業は、本来補助金を申請した目的のために使われることに限られており、耐用年数期間が残っていて減価償却が終わっていない場合、別の事業に活用しようとすると「目的外使用」に問われ、補助金を返還しなければならない。
しかし、実際に補助金を使ったものの十分に活用されていない「遊休施設」は、従来からかなり存在する。たとえば、会計検査院の平成9年度決算検査報告では、農業の生産性の向上、農産物の品質の向上、流通の合理化等を図ることを目的として昭和62年度から平成6年度までに行なわれた先進的農業生産総合推進対策事業等で市町村、農業協同組合等が整備した農産物処理加工施設等について、総事業4,959億円のうち、389億円を対象に検査を行なった結果、金額にして11.6%に当たる45億円は施設の運営を中止していたり、利用率が著しく低かったり、運営収支が赤字になっていたりと、補助事業の効果が十分発現していないと認められた。

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