ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

顧客に喜ばれる麦・大豆づくり

パン用小麦、茨城県産ゆめかおり 後編 顧客に、おいし小麦、小麦粉、パンを届ける

前回号で、パン用小麦の「ゆめかおり」の生産者、製粉業者、製パン業者の連携を紹介した。この3者がそれぞれの立場で品質を追求することによって、最終的にパンを手元にする顧客に喜んでもらうことができる。今回は、3者の品質への取り組みを紹介したい。   (取材・まとめ/平井ゆか)
製パン業者にとって来店者は顧客である。同じように、製粉業者にとって製パン業者は顧客であり、生産者にとって製粉業者と製パン業者は顧客である。それぞれどのように品質を追求しているのだろう。

品質へのこだわり

(株)浅野屋は、本格的なヨーロッパスタイルのパンを顧客に提供することを目指している。そのため、オーブンの工程にこだわり、軽井沢の店舗に他社に先駆けてスペイン製の石窯を導入している。
そんな浅野屋の品質へのこだわりは素材にも向けられている。今回の茨城県産ゆめかおりのように直接調達する場合は、その特性や品質に合わせて商品を開発するという。浅野屋の和生氏は、「お客様よりおいしいものを知っていないといけない」と、小麦粉のほか、惣菜パンや菓子パンに使う農産物も自ら吟味している。
浅野屋を顧客にもつ千葉製粉(株)では、品質の高い小麦粉を提供するために、品質自動分析システムを導入し、タンパク質、灰分、水分などをリアルタイムで測定し品質をチェックしている。安定した品質の小麦粉を浅野屋などの二次加工の顧客に届けるためである。
この2社を顧客とする生産者の(有)ソメノグリーンファームは、2社の期待に応えるため品質の良い小麦つくることに尽くしている。特にパン用に求められるタンパク質の含有量を安定させることに配慮している。
代表取締役の染野実氏は、かつて中間質小麦の「農林61号」を栽培していた経験がある。収量を上げるために追肥をすると小麦のタンパク質が上がり、うどん用に適さない品質になるため、小麦は、タンパク質と収量のバランスをとるのが難しいと実感していたという。農場長の片岡孝介氏は、文献などで調べた資材の種類、施肥のタイミングや量などについて、経験がある染野氏と、茨城県の坂東地域農業改良普及センターの普及指導員である伊藤常雄氏に指導を仰いでいる。
「なにより実需者の信頼を失いたくないです。品質向上のため、試験的に一部の圃場で施肥を増やしてみたりしながら、技術の確立を目指しています。また、適期から播種時期を遅らせた場合の栽培も今後、習得していこうと考えています」
片岡氏の言葉に加えて、染野氏は次のように話した。
「小麦には排水性は欠かせません。また、やはり土づくりが重要です。土壌分析に基づいて科学的にトータルで良い土にしなければいけないと思います」

品質を落とさず、需給
バランスよく増やす

全粒粉パンは健康志向の女性の間で人気だが、なかなか食べ続けられないというイメージがある。しかし、浅野屋によると、ゆめおかおりの全粒粉パンへの評判は上々だという。
「デパートでの催事後、どこで買えるのかという問い合わせがたくさん寄せられました。舌の肥えた方々にも食べてもらえれば、わかってもらえると思います」
全粒粉に限らず、国産小麦には追い風が吹いている。千葉製粉の茂櫛裕之氏によると、安全・安心志向、国産志向の高まりによって、製パン業者のほか、国内産を指定する製麺業者が増えてきているという。
「実のところ、初年度にゆめかおり50t受け入れるのは、販売しきれないのではないかと、多少の不安がありました。茨城県のPRのおかげもあり評判が良く売れ行きも好調です」

関連記事

powered by weblio