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顧客に喜ばれる麦・大豆づくり

パン用小麦、茨城県産ゆめかおり 後編 顧客に、おいし小麦、小麦粉、パンを届ける



染野 実氏
農業生産法人
(有)ソメノグリーンファーム 代表取締役
ちゃんとした品質のものをつくりたいです。国産のものはいらない、輸入でいいと言われたくないです。交付金として受けただけのことを国民に返さなければいけないと思います。

片岡 孝介氏
農業生産法人
(有)ソメノグリーンファーム
千葉製粉さんや浅野屋さんなど、二次、三次産業の方たちに評価されることが営農意欲につながります。他でもこういうケースが出てくればいいなと思います。

茂櫛 裕之氏
千葉製粉株式会社
製粉・ミックス事業本部
副本部長・生産部長 取締役
今回は、浅野屋さんに品質を認めてもらい販売が実現しました。茨城県内の顧客にも喜んで使ってもらうことが今年の目標です。ゆめかおりは、輸入ものに劣らず良いパンができると伝えています。

平 和生氏
株式会社浅野屋
執行役員製造部長 兼 東京セントラル工場長
シェフブーランジェ
現在、さまざまな小麦の特性を活かすパンづくりを食総研と共同研究しています。いかにお客様に喜んでもらえるか。そのためにこだわりと探求心をもって、一流のものを作り上げていきたいと思います。

小麦の品質と配合

浅野屋のように、加工業者が小麦粉の特性に合わせて商品を開発することはめずらしことである。前編で触れたように、小麦の用途は主にタンパク質の含有率によって決まる。そのため、加工業者の多くは、パン用、うどん用、中華麺用、菓子用としてそれぞれ配合・調質(品質調整)された小麦粉を購入して使用する。
カナダ産、米国産、オーストラリア産の場合、各国でAACC法など国際的な分析法で品質評価され、タンパク質の含有率によって仕分けされ、それぞれの加工に適した品質になるように厳密に配合された上で日本に輸出されている。
国内の加工業者に輸入小麦が使用されているのは、低価格や安定量の確保だけではなく、こうして品質が均一化されているためである。
日本では従来、外観等による等級区分がされてきたが、実需者にとってはあまり意味がないことであった。05年度産から農林水産省の「麦作経営安定資金」が始まり、品質を評価するランク区分によって交付金額が決まるしくみが加わった。これによって、ある程度一定の品質の小麦の流通が可能になった。しかし、「××以上達成」というランク区分をするだけでは、タンパク質の含有率を厳密に均一化する配合にはつながらない。また、一つの産地の単一の品種が流通するため量の確保が難しい。

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