ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

天を測る気を読む

定量的なデータ・定性的な情報・考える時間を確保する


今はアメダスの観測点が17~20kmメッシュで全国に張り巡らされていて、そのデータはすべて気象庁のWebサイトで公開されています。ですから、寒中が去った今でも、自分の居住地に近い観測点のデータを引っ張ってきて、寒だめしに使うことは可能です。それはそれでぜひ試してみてもらいたいのですが、それで役立ちそうだと思ったら、ぜひ次回は自分の圃場・園地に観測機器を設置してデータを取るようにしてください。今は、ソーラー発電式の観測機器がありますから、そういうものを使うとよいでしょう。

体で感じる情報と
よく考えることが大切

(2)は、機器だけでなく、体も使うということです。気温、湿度、風向、風速、気圧、降水量といったデータは観測機器を使って数値のデータを取ることが第一です。しかし、同じ気温でもそのときの湿度や風速などの他の条件や、その前数日間の条件によって、人が感じる寒さ・暑さは異なります。ほかに、なんとなくじめっとしているとか、数字ではたいしたことはなくてもどうも風が強く感じるといったことはあります。そうしたことをしっかり感じ取って記録しておくことと古文書は教えていますが、これは単に昔は観測機器がなかったからというだけの話ではなく、むしろ生き物としてどう感じるかを体感しておくことこそが大切なのだと考えています。これは、後でデータを振り返って解釈を考える上でも役立つ情報です。
それにしても、これを24時間×30日間やるわけですから、もちろん一人ではできません。だから、関心のある者同士が集まってグループを組み、交代制で不寝番をして当たるのです。仲間がいれば、後で分析するときにも意見を出し合って予測精度を高めることにもなります。それがかなわない場合でも、たとえば夜トイレに立ったときに少し外に出て風を感じてみるといったように、なるべく体感に基づく印象を書き留めておくことが大切です。
(3)の分析は、観測している段階でも異変を感じれば、そのときすぐに「7月なのに急に気温が下がる日がありそうだ」とか「8月のこの日はかなり荒れ模様になりそうだ」という予測につながることがあります。
それでも、全体を見渡すのはやはり寒の明けですべてのデータがそろってからです。したがって、ちょうど今、このデータを取り終わった2月というのは、寒中の気象の変化からこの1年全体の気象の動きに思いを巡らせながら、年間の作業計画をじっくり考える時期ということになります。

関連記事

powered by weblio