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特集

青果の真のおいしさを追求する都心の小売業


定松

新宿の京王百貨店の地下1階に、「築地定松」の看板を掲げた青果売り場がある。店内に入ると、「いらっしゃい、いらっしゃい」という声が聞こえ、まるで築地のせりを想わせるようなにぎやかさだ。
レジの前には、百貨店の買い物袋を下げた年配客や会社員が買い物カゴにキュウリやホウレンソウなど5~6品を入れて並び、フルーツの盛り合わせなどを展示しているギフトコーナーでは、客が店員に贈答品の相談をしている。
定松は、東京・築地に拠点を構える青果業の会社である。中央卸売市場内に4店舗、場外に卸売センター店と晴海通り店、デパ地下に2店舗を展開している。
定松は1910年、神田で青果問屋として創業し、今年で創業105年目を迎える。35年に中央卸売市場の開設に伴い築地に移転して青果仲卸を開業し、その後、会社組織として場外にも店を持った。高度経済成長期には業務用仲卸として業績を伸ばす。さらに、マスクメロンを看板商品とし、一流ホテルや有名レストランと取引を始め、成長を遂げる。
じつは、戦前の青果市場で働く人々を描いて芥川賞を受賞した芝木好子著『青果の市』の舞台・モデルになったのがこの定松である。
市場の目利きとして存在感を強めてきたなかで、その名が百貨店の目に留まり、デパ地下に出店をすることになった。
三代目となる代表取締役社長の牧泰利氏は、目利きの立場で良いと思う品物の本当の価値を顧客にわかってもらいたいと社員とともに日々努力を続けている。青果の目利きとしての役割、そしてホテル業界やデパ地下で求められる青果とはどのようなものか話を聞いた。

【企業概要】
株式会社 定松
1910年創業 
本社・晴海通り店:東京都中央区築地4-7-4
事業:仲卸、業務用卸、小売業、
法人・個人向けギフト
http://www.sadamatu.co.jp/

おいしいという感動を発掘する
福島屋

【豊かさに対する価値観の変化】

当社の生鮮食品スーパーでは、自然農法の農産物なども産地から直接仕入れて販売し、惣菜や弁当は店内で加工しています。
現在の経営スタイルになったのは10年ほど前のことです。でも、スタイルを確立したということではありません。常に、どうだろう、どうだろう、と考え、そのつど、ビジョンを見直してきました。それが組織を継続させる絶対条件だと思っています。人間の新陳代謝のようなものです。
当社も常に変化してきたわけですが、とくにいま、マーケットの価値観が変わってきて、豊かさとは何かということをみんなが考え始めていると感じます。これまで続いてきた資本主義がひずみとなって、ある部分で現れてきているところもありますし、戦後60年、続いてきた体制が過渡期に入っています。その中で、マーケットそのものも大転換期を迎えていることは間違いないと思っています。

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