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【実践講座:したたかな農業を目指す会計学 続・入るを計り出を制す!】
第四章 貸借対照表で経営感覚を養おう(2)「資本」の眺め方と分析
- 齊藤義崇
- 第4回 2015年04月06日
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図3に表1の事例で前年度から今年度の固定比率の変化を示した。この経営ではいずれも180%前後で、今年度は固定比が若干増えたことが確認できる。
固定比率の望ましい数値は、100%以下である。全負債の一括返済を迫られる事態に見舞われた場合、100%以下であれば、流動資産の処分で事態を対処できるからだ。土地や施設、機械を処分しなくて済むと安心できるうえに、資産が自己資本によることを確認できる。
固定比率は低いほうが望ましいが、低すぎる場合は、自己資本が農業の生産基盤に十分に利用されていないことになる 。流動性と固定性は常に相反して上下し、変化するものである。恒常的に固定比率が高く経過することが、最も問題で、危険が潜んでいると考えよう。
このご時世、投資を続けている方は挑戦者である。しかしながら、ギリギリまで攻めていると精神的にこたえてもくる。そんな時は、貸借対照表を眺めて、投資と回収のリズムを見直すことが経営者の心の安定剤になればと願う。
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齊藤義崇 サイトウヨシタカ
1973年北海道生まれ。栗山町在住。昨年、普及指導員を退職し、実家の農業を2014年から営む。経営は和牛繁殖、施設園芸が主体。普及指導員時代は、主に水稲と農業経営を担当し、農業経営の支援に尽力した。主に農業法人の設立、経営試算ソフト「Hokkaido_Naviシステム」の開発、乾田直播の推進、水田輪作体系の確立などに携わる。
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