ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

顧客に喜ばれる麦・大豆づくり

さぬきうどん用小麦としての適性を目指した「さぬきの夢2009」

香川県の特産は言わずと知れたさぬきうどんである。しかし数十年にわたり、そのほとんどは輸入小麦が原料であった。そこに近年、割って入ったのが香川県産さぬきの夢である。地元産小麦でさぬきうどんをつくりたいという生産者、加工会社、行政の取り組みと課題を紹介する。 (取材・まとめ/平井ゆか)
さぬきの夢2009は実需者からの評価が高く、日本一価格が高い小麦粉である。それは、実需者の声が反映された品種であること、地元にマーケットがありその需要量を生産量が満たしていないためであろう。
香川県民のうどんの消費量は、一人当たり平均で年間200玉以上と推定されている。生産量で見ると、香川県のうどん(生めん、ゆでめん、乾めん)は、使用される小麦粉の重量ベースで年間約6万t(2009年)。これは全国のうどん生産量約27万t(09年)の22%に相当する。
歴史を振り返ると、香川県では古くから水田の裏作として小麦が生産され、うどん食が根づいていた。62年には、普通小麦の生産量は5万tを超えた。しかし、63年の不作で4000tに落ちたのをきっかけに県内の小麦の作付面積が減少し、不足分が輸入小麦で補てんされた。さらにオーストラリアがさぬきうどんの加工適性を持つ小麦粉を配合するようになったため、さぬきうどんの原料はほぼすべてオーストラリア産ASWが占めるようになった。
しかし近年、実需者や住民から県産の小麦粉を使用した風味の良いうどんづくりを望む声が挙がるようになり、あらためて、さぬきうどん用の小麦の品種開発が香川県農業試験場によって進められた。
01年、さぬきの夢2000が奨励品種になったが、生産面では収量が低く、加工面ではASWに比べて製麺の作業性が劣る、麺が切れやすい、ゆでた麺がのびやすいなどの課題があった。
後継品種としてこれらの課題を改善したのが、さぬきの夢2009である。現在、玄麦として約5000t、小麦粉として約3000tが生産されている。つまり、香川県で生産される小麦粉の約5%がさぬきうどんの原料として使用されていることになる。

実需者が
品質の検討に参加

さぬきの夢2009は、品種開発から生産面の適性、実用化、ブランド化まで香川県農業試験場と生産者はもちろん、実需者、行政、識者らによって組織的に進められてきたといえる。
かがわ農産物流通消費推進協議会のなかに設けられた「さぬきの夢」推進プロジェクトチームには製粉業者と製麺業者などが構成メンバーとして参加しており、製粉工場における製粉試験や、製麺工場やうどん店における実作業を通じて加工適性に対する評価や検討が重ねられた。また、食味官能審査や消費者を対象とした調査も実施された。
こうして生まれたさぬきの夢2009は、さぬきの夢2000に比べて多くの点で改善された。加工面では、粒度の大きいものが多いため製粉の歩留りが良くなり、製麺の作業性も向上した。また、グルテン量もさぬきの夢2000の1・8に対して2・1に増え、ASWの2・3に近づいた。
グルテンは、小麦粉に含まれる弾力性のあるグルテニンと粘着性のあるグリアジンという二つのタンパク質が水と結びつくことによって生成される。グルテンによって弾力性と粘着性の両方の特性を持つうどんができる。
食味官能審査でも、しなやかで弾力のあるコシ、色の白さなど、すべての項目において、さぬきの夢2000より評価が高いという結果が出た。

関連記事

powered by weblio