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顧客に喜ばれる麦・大豆づくり

さぬきうどん用小麦としての適性を目指した「さぬきの夢2009」


本場さぬきうどん協同組合長で、香川・小豆島でうどん店を営む大峯茂樹氏は、さぬきの夢2009の製麺の作業性について次のように説明した。
「さぬきの夢2000は粘りが弱く、こねている間に粉が乾くことがありました。そうなると、ざらついて食感が落ちてしまいます。さぬきの夢2009に切り替えてからは、そういったことは全くありません」

さぬきの夢こだわり店で
ブランド化を推進

さぬきの夢2009とそのうどんのブランドを推進するため、さまざまな取り組みがされている。
一つは、流通経路が明確になっていることである。香川県の農業者が生産したさぬきの夢2009は、JA香川県を通じて、県内木下製粉(株)、日清製粉(株)、(株)ホーコク製粉、吉原食糧(株)の4つの製粉業者のみに納品されている。製粉業者では、100%さぬきの夢2009の小麦粉、または、ASWなどと配合した小麦粉をうどん店などの製麺業者側の希望に応じて販売する。
また、さぬきの夢2009を100%使用したうどんを差別化するしくみもつくられた。いわゆるさぬきうどん業界の3つ星レストラン「さぬきの夢こだわり店」を「かがわ農産物流通消費推進協議会」が認定するというものである。
「さぬきの夢こだわり店」に認定されるには、年間を通じて香川県産さぬきの夢2009を100%使用したうどんを提供し、麺、出汁、サービスのいずれも基準を満たしていることが条件とされている。毎年、応募した店に識者が覆面で訪れ、厳しい審査が行なわれるという。
大峯氏のうどん店「麺匠 おおみね」も、「さぬきの夢こだわり店」に認定された店の一つである。店は観光地の小豆島にあるが、顧客は昼食をとりに来る近隣住民が多い。人口約3万人の小豆島にありながら1日約120人が来店する。
地元の人が毎日のように食べるさぬきうどんだからこそ、価格は上げられない。
さぬきの夢2009の小麦粉は、ロットや配合率にもよるが、おおむねASWの約1.5倍で取引されていると推測される。小麦の価格高とブランド化によって、さぬきの夢2009のうどんは、高い価格帯で販売されているかというと、そうではない。大峯氏によると、1杯220~250円というASWのうどんと同じ価格帯で販売している店がほとんどだという。
大峯氏によると、香川県には現在、約650店のうどん店がある。そのうち「さぬきの夢こだわり店」は現在、14店舗である。
審査基準がしっかりしているということもあるだろうが、もっと多くても良い気がする。さぬきの夢2009の生産量が需要量に比べて少ないため、さぬきの夢2009の小麦粉の扱い店の母数が自然と限られるためであろう。

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