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第1回 国際食料・農業政策アカデミックカンファレンス

世界のジャポニカ米と日本産米の競争力


カルフォルニア産の中粒種というジャポニカ米に関しては、米国でも南部のコメより高い価格が示されている。ジャポニカ米を輸入する側から見れば、高い価格で買うことになるので、嬉しい話ではない。しかし、ジャポニカ米をつくる農家にとっては嬉しいことで、高額で推移するために、ジャポニカ米の増産を画策する動きは広がっている。
世界的な日本食ブームは米国でも今も続いている。そういうなかで、中国や米国・ベトナム・ブラジルがジャポニカ米を生産して輸出しようという動きが大きいだろう。
これまでの長粒種米の産地でも、ジャポニカ米を何とかしてつくりたいという話はある。米国でつくりやすいのは「M205」という品種だが、カルフォルニアが州外での生産を許可しておらず、同じ米国内でもアーカンソーでも作れないというジレンマを抱えている。

●日本産米の国際競争力
このような状況のなかで日本の稲作農家はどうしていくのか。国内での競争をしながら、コストを徹底的に下げる。そういう努力を農家がされることが重要である。
日本の農家は、たいてい自分のコメの味を知っている。韓国や台湾でも、自分でつくったお米を食べているところが多いので、似たところはあるが、米国などは、自分でつくったお米を一般的には食べない。そういった意味では、日本の稲作農家は非常に力があると思う。
日本のコメ相場は現在、値段が下がっている。このように下がっている状況を見ると、もう市場の最低の値段まで下がっているのではないかと感じるだろう。では、これを実質価格で見てみよう。
日本と米国におけるコメの国内価格を比較したのが図6である。外国のコメの値段が為替レートの関係もあり、値段が上昇していて、日本産米との価格差が小さくなっている。つまり、日本のコメの輸出は、今以上に大きなチャンスを得られるだろうと考えられる。
現状、日本国内ではコメの価格が低迷している。しかし、その一方で円は上昇している。ということは、日本産に対する期待、日本産米に競争力が出てくるのではないかと考えることもできる。輸出拡大のチャンスであり、新しい市場を開発していかなければならない。輸出の可能性を日々努力しながら探さなければいけないだろう。

●韓国米の現地状況
最後に、昨年12月から今年1月まで訪韓した際に韓国のマーケット状況を見てきたので報告したい。
驚いたのは、韓国のコメ相場。精米20kgの卸値が約4万ウォンなのだ。1円=9.195ウオンの為替レートで玄米60kgに換算すると1万1745円になる。非常に高い価格で売られている。ただし、味については、それぞれの国のテイスト、好みが違うので……。

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