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紀平真理子のオランダ通信

有機栽培のBioRomeo社

3月、オランダ北部はEnsにあるBio Romeo社を訪ね、次々と新しい試みを行なっているVan den Dries親子に話を聞いた。
1980年代に慣行農業に取り組んでいた父は90年に有機栽培へ転向する。当時のことをこう振り返る。
「生産制限や補助金システムはいずれ終わりを迎える。スーパーマーケットの台頭で販売価格は下落し、輸入に頼っている形態の農業では先が見えない。今後、環境に配慮して健康に良く、消費者に近い農業が必要だと感じた。とはいえ、有機栽培農家は当時のオランダには5~6軒しかなかったよ」
そんな時代だからこそ周囲の目は冷ややかだったようだ。
「『有機栽培の作物を購入する人なんて一部の金持ちだけで需要はないよ』。よく言われたもんだね。でも、人生は選択だ。金持ちでも食べ物にこだわらず、旅行にお金を使う人もいれば、余裕がなくても食べ物は安心できるものを食べたいという人もいる。こればっかりは信念で貫いたね」
現在の経営面積は70haになる。作付品目は数多く、小麦や20種類のジャガイモ、ホウレンソウ、カラフルニンジン、タマネギ、チコリ、キャベツ、白キャベツ、パースニップ、根セロリ、セロリ、カボチャ、ビーツ(赤・黄)、イチゴ、ルバーブ、スイートコーン、アーティチョーク、黒カラスムギ(注:雑草防除のために育て、種子を販売)など多様な作物を生産している。こうして多品目を手がけるのは連作障害の回避に加え、リスク軽減のためだ。有機栽培を始めたときからそうしてきたという。
親子が最も重要だと考えているのは、顧客への直販であり、有機栽培はそのプラスαという位置づけになる。

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