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第1回 国際食料・農業政策アカデミックカンファレンス

世界のジャポニカ米と日本産米の競争力

セッション3
世界のジャポニカ米の政策と流通
(1)2014年米国農業法の概要と 世界のコメ市場の予測
(米国・アーカンソー大学農学部教授 エリック・ウェイルス氏)
米国を代表するコメ経済の研究者である同氏の報告は、「2014年農業法」の概要と、これに規定される内容が世界のコメ経済にどのように影響し、組み込まれていくのかの2つに焦点が当てられた。
●農業法の概要
米国の農業、食料分野に関する規定をする農業法は、1930年代から適用されてきた時限法で、5年ごとに内容を検討し直し、再設定される。新しい農業法は、米国議会の上院・下院でねじれが生じていることも影響して、約2年間の議会審議を経て、昨年2月に通過した。
現在、米国の財政は非常に厳しい状況にあり、農業分野でも予算の大幅な削減が敢行された。14年農業法には、価格状況に関係なく作物ごとに定額が支払われる直接固定支払を廃止する措置が反映された。米国では、貧困層を対象とするフードスタンプ計画などの食料確保も農業法で規定され、経費の8割弱を占めていた。今回、この部分でも予算削減が行なわれたが、食料の安全保障に関わることだけにこの措置は議論を呼んでいる。
12章から構成される14年農業法(注1)で、生産者にとって重要なのは「作物」と「作物保険」に関する章である。近年は農産物価格が高騰しており、農業所得が安定しているため、政府の補償を受ける経営体は少ない。したがって、保護政策が削減され、リスク管理、特に作物保険に力点が置かれたためである。
図表1に米国政府の農業法に関する支出の推定額を項目別に示す。政府が掲げた削減目標は190億ドルということなので、総額約165億ドルの削減では、政府の支払額が予算を超過してしまうだろう。項目別には、「作物」が143億ドル減少し、「作物保険」は57億ドル増加した。これは綿花への公的資金支援が「作物」から「作物保険」に移行したことによる。

注1: 14年農業法は「1 作物」「2保全」「3 貿易」「4栄養」「5信用」「6農村開発」「7研究・普及」「8森林」「9エネルギー」「10園芸」「11作物保険」「12その他」の12章から構成されている。

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