ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

特集

国産Non-GMOトウモロコシの今 需給課題をクリアするために


日本において子実トウモロコシが栽培可能なのは、北海道の寒冷地(道東・道北地方)を除くほぼ全土である。トウモロコシは感温作物であり、単純積算温度で2500℃前後を確保できれば極早生品種の栽培が可能である。栽培方法は水稲・大豆や小麦と比べて非常に簡便であり、播種後除草作業を1~2回行なえば後は収穫を待つだけである。
いわば子実コーンは非常に労働生産性の高い作物といえよう。さらに弊社では現地試験を通して各地域の気候に適した作型・収量性・子実の加工性などの実証を行なっている。
大雑把に言って晩生品種のほうが収量ポテンシャルは高いが、梅雨や台風の影響を受けにくい作型を考慮するのが肝要である。東北・北海道においては積算温度が十分になるように早期に播種を行なうなどの工夫も必要となる。品種選択のポイントとしている点は以下のとおりである。
(1)子実登熟の熟期が想定する栽培期 間、作型にマッチしているか?
(2)十分な子実収量が期待できるか?
(3)耐倒伏性や耐病性は十分か?
(4)収穫機械が対応できる草丈で栽培 ができる品種であるか?
(5)子実を加工する際の適性(硬さ・ 粒度など)がエンドユーザーのニ ーズに合っているか?
[品種の開発]
先に述べたとおり、品種選択の際に特に重要なのが子実収量・耐倒伏性・耐病性である。子実収量はサイレージ収量とは必ずしも一致しない。サイレージは茎葉の収量が重要だが子実用品種は短稈でも立派な子実が実ればよい。日本においては倒伏や収穫ロスを考慮すれば短稈のほうが好ましい場合もあるだろう。
弊社では子実用トウモロコシの栽培拡大を受けて子実用品種の選抜試験を開始している。子実用熟期が明確で、完熟期まで十分な耐倒伏性、耐病性を兼ね備え、さまざまな用途(飼料用適性、食品用適性)に対応できる品種を国内にて選抜を行なっている。

【国内生産の可能性と課題】

日本における子実トウモロコシ生産はこれまで考えられもしなかったが、各地での試験栽培を見た結果、現状でも十分な収量確保ができているし、今後のさらなる技術開発(特にコンバインなどのハード面)により高収量達成ができる可能性が十分にある。全国を平均すると、おおむね8t/haであるが、先行している北海道においては収量が10~12t/haという実績もある。表2は米国農務省(USDA)の収量データであるが、14年の史上最高収量は約11t/ha(173.4ブッシェル/エーカー)である。

関連記事

powered by weblio