ナビゲーションを飛ばす



記事閲覧

  • このエントリーをはてなブックマークに追加はてな
  • mixiチェック

特集

国産Non-GMOトウモロコシの今 需給課題をクリアするために



この新しい取り組みには、養豚家にとって嬉しい副次効果もありました。コーンは堆肥の使用量がとても多く、私どもの堆肥舎を安定的に空にしてくれることがわかってきたのです。私は国産コーンの確保もさることながら、実は堆肥消費もまた養豚経営の救世主になるのではないかと考えています。農家の担い手減少により、畜産現場では数年前から堆肥余りに頭を悩ませています。そこに子実コーン生産が堆肥を大量使用してくれることになれば、養豚業界にwin?winの耕畜連携軸が一本加わります。現代の養豚は地域の環境問題とは真摯に向き合っていかねばなりません。その確実な手立てのひとつになりえます。
14年、盛川農場・アグリストの2社は34tまで生産拡大に成功されました。今年は70t強の生産予定と伺っております。そもそも当社の配合飼料の使用量は月間で3000t。保管場所や運送、加工の手間などまだまだ課題はありますが、消費量拡大の余地は十分あります。私達はこれを、日本養豚と耕作の新しい関係を紡ぐ挑戦だと考えております。

飼料米より大きい子実コーンのメリット
輸入穀物高騰が続く今こそ

兵庫県加古川市 (株)オクノ 代表取締役 奥野 克哉

昭和40年ころ「養鶏農家」は全国で332万戸あったが、現在は3000戸を割り込んでいる。しかし1億8000万羽という飼養羽数は50年前と変わらない。このことは大手資本が直接参入し自由競争に晒された結果、大規模集約化が極度に進んだことを意味する。

【不安がつきまとう飼料米政策】

鶏卵の国内自給率は96%を誇るが、その生産に必要な飼料用穀物の輸入依存率は90%を超える。そのうち60%以上は年間1400万tを超える輸入トウモロコシによって支えられている。養鶏用配合飼料の供給元は国内数社に限られており、鶏卵供給のシェアは大手5社で70%以上に達する。
穀物相場が2008年以降高止まりしたままであり、「安価な輸入トウモロコシ」に支えられた低コスト鶏卵生産からの脱却を余儀なくされているなかで、「国産飼料用穀物」が価格競争面においても大いに可能性を示すこととなった。
飼料米の登場は革新的な取り組みであるが、一般主食米としての国内供給が飽和状態のうえに新たな実需として「飼料用」を上乗せしていくのは厳しい。しかも多額の補助金に依存している仕組みが永続的に維持できるのか? 国の財政を圧迫する要因になるのではないか? 不安は付きまとう。

関連記事

powered by weblio