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第1回 国際食料・農業政策アカデミックカンファレンス

世界のジャポニカ米と日本産米の競争力


まずは全く同じ炊飯器を使った味覚試験を行なった。情報をすべて隠した場合、韓国米は米国産米、中国産米に比べて一番低い評価となった。同じ味覚試験で原産国情報を提供すると、韓国米の点数が高くなる。そして、生産地からソウルまでどれだけ距離が離れているかを示すフードマイレージの情報があると、韓国、中国、米国の順になった。
次に平均入札額。全く情報がなかった場合の平均入札額は米国が一番高く、韓国、中国の順だった。原産国を表示すると、韓国が一番に順序を上げ、中国、米国と続く。韓国の消費者は米国産米に対して、10.7%のプレミアムを支払うと答えている。同様にフードマイレージの情報がある場合は、韓国、中国、米国の順だった。
原産国情報があると、国内米の評価が高くなることが明らかになったことから、韓国では原産国表示という政策を標榜するべきで、味または官能属性を改善するべきである。
最後にコメを差別化するために重要なコメのラベル表示について触れる。台湾、韓国、日本の3カ国のなかでは、台湾の表示制度は最善である。なぜなら、消費者がコメの等級を判断するための情報やタンパク質などの栄養情報も示されているからだ。日本と韓国では等級まで示さなくてもいいので、品種や産地はわかっても、品質までを保証しているわけではないと私は思う。
日本は政府も生産者も「日本のコメは最高だ」と言いながら、消費者に対して全く情報を示していない。つまり、主婦たちは、「最高のお米って一体どれなの?」とわからない。
韓国の表示も同様である。国際的な競争力を高めるためには国内産のコメの品質を上げることと同時に、将来的には、品質表示制度において差別化する必要があると考えている。
日本からのコメの輸入も歓迎している。韓国産米は孤立していて市場の競争がないからだ。質の高い外国産米との間で新たな競争が生まれ、質の高いコメが生産されるようになるだろう。

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